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3月21日(月)・・・ひょうたん島の灯台、津波で崩落 吉里吉里人は復興着手

岩手県大槌町は、作家の故・井上ひさしさんの代表作「ひょっこりひょうたん島」や「吉里吉里人」のモデルとされる。地震と大津波は町を無残な姿に変えた。だが、生き残った町民は吉里吉里の精神で結束し、復興に向けてどこまでも前向きだった。

 大槌湾沖の小さな島、蓬莱(ほうらい)島には、大小二つの丘があり、島影はひょうたんの形をしていた。小さい方の丘に灯台があった。NHKの人形劇「ひょっこりひょうたん島」のモデルの一つとされ、町の自慢だった。震災前は毎日正午に防災無線を通じて、町内全域にテーマソングも流れた。

 だが、島は津波にのまれ、灯台も流された。ひょうたん形の丘も一部が崩れ落ちた。

 町職員の佐々木健さん(54)は「灯台が壊れたのは残念。でも『泣くのはいやだ、笑っちゃおう』という希望をもたらしてくれるのがひょうたん島。これから復興の旗頭になったらいい」と話した。

 町中心部から北東に約4キロ。海岸沿いに広がる吉里吉里地区は、小説「吉里吉里人」(1981年)のモデルとなった。東北の寒村が日本から独立をめざすという物語。ベストセラーとなり、同地区は「吉里吉里国」として井上作品のファンたちに親しまれてきた。高台のJR山田線吉里吉里駅には、多くのファンが足を運び、切符や入場券を買い求めた。

 地震と大津波で「吉里吉里国」も一面がれきの山と化した。約300世帯2500人が暮らすが、震災でこれまでに約30人が亡くなり、約45人が行方不明になっている。

 だが、震災当日に住民自ら対策本部を発足させ、翌日から、経営者の許可を得て、ガソリンスタンド地下のタンクに残された灯油や軽油の確保に乗り出した。地元の水道事業者らが、がれきの山からかき集めた配管といった資材を使って手動ポンプをつくり、13日までに設営。14日から油をくみ上げた。

 灯油は避難所を暖める暖房機器に、軽油は、地元の建設会社や造園会社から提供を受けた重機に供給された。住民100人以上が重機と共にがれきの撤去に乗り出し、生活道路の確保を目指した。

 避難所で被災者の相談や要望を受け付ける芳賀広喜さん(63)は胸を張った。「吉里吉里国は大変なことになったけど、人々の結束はより強くなった。吉里吉里の人間であることを誇りに思う」(森本未紀、河村能宏)
by nsmrsts024 | 2011-03-21 22:41 | 朝日新聞・綜合、政治

千年に一度の巨大津波と原発事故による核災害


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