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3月22日(火)・・・思い出が戻ってきた―津波で散乱したアルバム、持ち主に

笑顔でピースをする子どもたち、神社での結婚写真、温泉旅行――。そんな写真が収められたアルバム200冊ほどが、岩手県山田町役場に展示されている。津波で街中に散乱していたのを住民が拾い、「持ち主のもとに返してあげて」と持ち寄った。持ち主が見つけることもあり、思い出が少しずつ、家を失った被災者のもとに返っていく。

 町役場1階ロビーの机の上や段ボール箱に、泥のついたアルバムが並ぶ。持ち主が見つけやすいように、アルバムの一部はページを開いて写真が見えるようにしている。足を止め、家族や友人の写真がないかと、ページをめくる住民が絶えない。

 関民子さん(54)のもとには、写真20枚ほどが収められた小さなアルバムが戻ってきた。自宅近くに落ちていたらしく、知人が拾ってきてくれた。30年近く前の家族や親戚と東京の上野動物園に行った時の写真だった。

「田舎から東京に遊びに行ったからでしょうか、ライオンやキリンを前に、当時3歳だった息子はうれしくてしょうがないような顔ですね」

 家族は無事だったが、自宅は津波に流された。「少しでも手元に残せるものがあったんだと分かって、本当にうれしい」と涙ぐんだ。(井上裕一)
by nsmrsts024 | 2011-03-22 10:17 | 朝日新聞・綜合、政治

千年に一度の巨大津波と原発事故による核災害


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