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3月29日(火)・・・タンクに次々移し替え…汚染水除去、綱渡りの作業

東京電力の福島第一原発1~3号機のタービン建屋から外へつながる坑道に、高い線量を示す大量の汚染水が見つかった。同建屋の地下にも同様の汚染水が大量にたまっており、坑道の汚染水の供給源になっている可能性もある。この水の処理が、放射能を封じ込めるカギを握る。東電は建屋内の水を別のタンクに玉突きのように次々と移し替え、燃料冷却作業に取りかかる環境作りを急ぐ一方で、坑道の水があふれ出ないよう、土嚢(ど・のう)を積むなど応急対策を進めている。

 東電によると、トレンチと呼ばれる坑道は、冷却で用いる海水ポンプの配管や電線などが通っている。人が入って点検できるようになっており、通常は水はない。その坑道の容量は総計1万3300トン。坑道内はほとんど水で埋まっているとみられ、配管などを差し引いても1万トン前後の汚染水がたまっている可能性がある。

 2号機の坑道入り口付近では、最大で毎時300ミリシーベルト以上の高い放射線が測定された。1、3号機でも最大で毎時0.8~1ミリシーベルトが出ている。たて坑から海は50~70メートル離れているが、海に漏れる可能性もある。そのため、東電は28日にまず1号機のたて坑の入り口周辺に土嚢を積み、流出を防ぐ応急措置を講じた。

 一方、同じ1~3号機のタービン建屋地下では、水深0.4~1.5メートルの汚染水がたまっている。坑道の配管は建屋に通じており、「地下から流れ込んだ可能性は否定できない」(東電福島事務所)。建屋の浸水は、復旧作業にとって邪魔なだけでなく、坑道の水の供給源になっているとみられる。

 このため、建屋の水をまず取り除くことを優先させる。
汚染水の放射能が高いため、密閉性の高い建屋内の「復水器」という装置の中にポンプで移す方針だった。すでに1号機は、坑道の水が確認される前の24日から水の移動を始めていた。だが、2、3号機も同様に復水器への移し替えを実施しようとしたところ、それぞれ満水状態だった。

 そこでまず、この復水器に入っている比較的汚染度が低いとみられる水を、建屋外にある「復水貯蔵タンク」に移し替えることにした。だが、その貯蔵タンクも、もともと水が入っている。2、3号機については、仮設ホースを引いて、貯蔵タンクの水を、建屋からさらに遠く離れている別の「圧力抑制室用貯水タンク」に移し替えて容量を確保することにし、28日から作業を始めた。

 圧力抑制室用貯水タンクは各号機共用で、4号機の南にある2基については、容量計6800トンで、空き容量は約4千トンあるとみられる。廃水を処理する施設は復旧しておらず、現状ではどこかにためるほかない。2、3号機の貯蔵タンクを空にして、復水器にどれだけ容量を確保できるか、綱渡りの作業を続けている。
by nsmrsts024 | 2011-03-29 15:33 | 朝日新聞・綜合、政治

千年に一度の巨大津波と原発事故による核災害


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