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4月9日(土)・・・海への汚染水放出、9日にも終了 福島第一原発

東京電力福島第一原発の事故で、敷地内にたまった高濃度の放射能汚染水を収容するため、比較的低濃度の汚染水を海に放出する作業は、9日にも終わる見通しになった。ほぼ排出を終えた施設では、代わりに収容する汚染水が漏れないよう、ひび割れを点検する作業が始まっている。まずは汚染の拡大を防ぎ、将来的に冷却用の電源を普及させる一歩になる。

 放出開始は4日。集中廃棄物処理施設に津波でたまったとみられる比較的汚染度の低い水を放出することで、高濃度汚染水の保管スペースを確保する目的だ。

 また、5、6号機では周囲からしみ出した地下水で非常用発電機など重要機器が水没するおそれがあり、地下水をためる升の水位を下げている。濃度が低いとはいえ、意図的な放出は内外から批判を浴びた。

 処理施設からはこれまで7700トンを放出。細かなスペースに取り残された800トン程度を取り出す最終作業中で、9日夜にも終了する。5、6号機では1300トンの放出を終え、10日にも予定の1500トンに達する見通しだ。

 処理施設は床から3メートルまでの範囲が防水加工され、容量は3万トン。ここに2号機のタービン建屋地下や外の坑道にたまった高濃度汚染水などを収容する。土壌中に漏れ出すことがないよう地震による亀裂を確認したうえで作業に入る。

 1~3号機のタービン建屋地下にたまった水を建屋内の復水器に移す準備も続いている。復水器に入っていた水を復水貯蔵タンクに移す作業が1、2号機で進められている。タンクの水を次々に移す3段階の玉突き作業の2段階目にあたる。2号機は10日にも終える予定だ。

 ただし、3号機については復水器が満水状態でマンホールのふたを開けると水がこぼれるおそれがある。1段階目の作業は最も早く終わっていたが、慎重に方法を検討している。
水の回収に向け、各号機のタービン建屋ではホースを通すための穴を開ける作業を7日に実施した。処理施設までの最短ルートを確保し、外の作業員の被曝(ひばく)を減らす目的で、1号機、2号機と順番に廊下を使ってホースを貫通させる。

 また、高濃度の汚染水が亀裂から流出した2号機取水口付近の作業用の穴(ピット)の対策も進められている。9日には周囲を鉄板で囲んで封鎖し、さらに10日には海をポリエステル製の「シルトフェンス」で仕切る作業をする予定だ。

 6日に止水した後、周囲の別の場所で新たに流出が生じるなどの影響はみられていない。ピットから坑道を通じてつながっているとみられるたて坑の水位は10センチ上昇したが、まだ余裕がある状態だ。

 タービン建屋にたまっている水は、1~3号機とも2万トンずつで、計約6万トンとみられる。海洋汚染への懸念が強い2号機付近の高濃度の汚染水を優先して移す。排出後に洗浄して内部の放射線量を減らすことができれば、タービン建屋地下での電源復旧作業が再開できると期待される。

 電源復旧作業は、原子炉を安定して冷やすシステムに欠かせない。

 原子炉内にある核燃料は熱を発し続けるため、冷やし続けなければならない。現在は仮設ポンプを使って注水を続けているものの、外部のタンクの水を一方的に入れる応急措置にとどまる。最も確実なのは、通常時に原子炉を冷やすのに使う「残留熱除去系」というシステムの復旧だ。

 復旧すれば、大量の水を循環させ、熱交換器を通じて取り込んだ海水で一気に冷やせるようになる。ただ、汚染水の回収はポンプの能力の制約があるほか、地震や爆発、浸水による影響が残っているおそれもあり、システムの復旧までは時間がかかりそうだ。
by nsmrsts024 | 2011-04-09 12:39 | 朝日新聞・綜合、政治

千年に一度の巨大津波と原発事故による核災害


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