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4月19日(火)・・・高汚染水移送は長期戦 受け皿施設補修、漏水警戒

福島第一原発2号機の坑道やタービン建屋地下にある高濃度の放射能汚染水の本格的な移送作業が19日始まった。漏れれば周辺を汚染したり、作業員が被曝(ひばく)するだけに、作業には細心の注意が求められ、当面、移送するのは一部にとどまる。汚染水は浄化して別の場所に保管したり再利用したりする計画で、全てを抜き取り終わるまでには時間がかかりそうだ。  2号機の坑道では、汚染水がたまって水位が上がっており、抜き取らないと十数日で外部へあふれ出るおそれがある。坑道とつながるタービン建屋地下にたまっている汚染水も、原子炉冷却のための電源復旧工事の妨げになっている。両者合わせて2万5千トンの汚染水があるとみられる。

 移送が始まったのは、坑道のたて坑の汚染水。東電は約1万トンを敷地内の集中廃棄物処理施設へ移す。最初の4分の1は1台のポンプで様子を見ながらくみ上げ、その後3台に増やす。移し終えるのは5月14日ごろがめどになる。19日午後6時現在でたて坑の水位に変化はないという。

 この汚染水は表面線量が毎時1千ミリシーベルト超。近づくと吐き気や嘔吐(おうと)の症状が出るほど高い放射量だ。移し替えの途中で漏れると、辺りが一気に汚染される。東電原子力・立地本部の松本純一本部長代理は記者会見で「万が一にも漏れがあってはならない」と繰り返してきた。

 移送にはホースを使う。東電は集中廃棄物処理施設まで約800メートル、ホースを引いた。そのほとんどは、2~4号機のタービン建屋内を通した。屋外の作業員の被曝を防ぐとともに、もし漏れても建屋内にとどめるためだ。外に出る部分も余震で揺すられて外れないよう、鋼材で脇を固めたり、溝の中にいれたりした。

 ホースのつなぎ目は金具のほかに針金で硬く縛り、ビニール袋で包んだ。万一漏れた場合に備えて、放射性物質の吸着材の袋を巻き付けた。
 移送された汚染水が集中廃棄物処理施設から周囲に漏れ出す危険を減らすため、施設内のひびやすき間を止水し、建物の耐震性も改めて確認した。さらに、汚染水の水位は地下水位より50センチ程度低く抑えることにした。周囲から水圧がかかって漏れ出しにくくなるためだ。

 施設の容量をフル活用すれば3万トンが入るが、一部を使うにとどめたため、2万5千トンの汚染水を一度に全量移送することはできなくなった。

 東電によると、移送された水は、放射能を減らす浄化処理をした上で別のタンクに貯蔵したり炉心の冷却に再利用したりする。浄化には、放射性物質を沈殿させて集めたり、放射性物質のセシウムを吸着するゼオライトを使ったりする水処理システムの構築が検討されている。

 このほか東電は19日、6号機のタービン建屋地下にしみだしてたまったとみられる地下水100トンを復水器に移送したことを明らかにした。
by nsmrsts024 | 2011-04-19 23:37 | 朝日新聞・綜合、政治

千年に一度の巨大津波と原発事故による核災害


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