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4月20日(水)・・・最愛の人、39日たって対面 原発10キロ圏内で発見(1

福島県警が福島第一原発から半径10キロ圏内で行方不明者の捜索を開始して20日で1週間になる。原発の事故直後に政府が避難指示を出して以降、捜索ができていなかった区域。いま、遺体が見つかり始めている。

 19日、福島県相馬市沖ノ内1丁目の遺体安置所。同県浪江町請戸の漁師須田直一さん(65)の棺(ひつぎ)の上には、たばこやおにぎりが置かれていた。「会えて良かった」。須田さんと6年間一緒に過ごした大内巳代子さん(60)は、変わり果てた姿をみて静かに涙を流した。  「原発の事故がなければすぐに救助に入れたのに……。助かったかもしれないよね」と大内さんは言う。浪江町の沿岸部は大津波で壊滅的被害を受けた。津波の後、須田さんと連絡が取れなくなった。自宅近くで須田さんが津波に流されたと知り合いから聞いた。だが、避難指示圏内で自ら捜しに行くことはできず、警察や自衛隊も1カ月以上、捜索に入れなかった。避難所生活をしながら、もどかしさが募った。

 今月14日、県警の捜索がようやく始まると、請戸地区周辺で身元不明の遺体が次々と見つかった。遺留品の写真は同県二本松市の小学校体育館に掲示されることになった。18日、大内さんがずらりと並ぶ写真を眺めると、見慣れた革製の犬の形をしたキーホルダーが目に飛び込んできた。軽トラックのキーをなくさないよう、須田さんにプレゼントしたものだった。

 「キーホルダーが私たちを引き合わせてくれた。一番幸せな時間を一緒に過ごした人。見つけてあげることができてよかった」。再会まで39日がたっていた。

 まだ大切な人が見つかっていない人もいる。浪江町の栃本勝雄さん(66)は、消防団で避難する人を誘導していて津波にのみ込まれたとみられるいとこの次男、橋本信之さん(37)を捜しているが、手がかりを得られずにいる。
19日には、橋本さんの母親とみられる女性の遺体が安置所で見つかった。栃本さんはつぶやく。「原発がなければ助かった命があったかもしれない。本当に悔しい」(田内康介)
by nsmrsts024 | 2011-04-20 19:44 | 朝日新聞・綜合、政治

千年に一度の巨大津波と原発事故による核災害


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