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4月29日(金)・・・原発避難、どこへ 飯舘の高校、決まらぬ移転先

福島第一原発からの避難区域で唯一、行き先が決まっていない県立高校が移設先を巡って揺れている。計画的避難区域になった飯舘村にある福島県立相馬農業高校飯舘校。移設は避けられないが、村には今も転居先が決まらない多くの生徒が残る。最適な場所を求めて県教委は頭を悩ませる。

 同校は24日、保護者会を開き、どこに学校を移すのがいいか意見を聴いた。候補に挙げたのは、東北線の駅に近い福島市内の高校や、寮のある県中部の高校など。生徒や家族が県内のどこに避難しても比較的通いやすいからとの理由だ。

 会場から質問や要望が次々に出た。「緊急時などを考えると親元から通わせたい」「経済的な負担は」。同校によると、「村役場や学校の行き先が決まらないと、住民は引っ越し先を決められない。行き先は学校側で決めてほしい」との意見も寄せられたという。

 同校は1949年開校。元々あった農業科や家政科は廃止され、普通科の中に進学、福祉、農業を意識した3コースを設けた。生徒計81人の8割が村の子で、今も多くが村内に残る。

 震災後、学校は原発事故に振り回されてきた。3月15日に原発から20~30キロ圏内は屋内退避区域に指定されたが、学校は圏外。そこで一度は4月21日再開と決めたが、4月11日に村全体が計画的避難区域となることが明らかになり、断念。再開どころか避難せざるを得なくなった。

 県教委は、避難区域内の高校は他校に間借りする「サテライト」方式で学校を再開する方法を採っている。相馬農飯舘も同じ方式で隣の川俣町内で再開することを検討した。しかし、町内の学校施設には余裕がなく、適当な間借り先は今も見つからない。離れた地域にも選択肢を広げて検討を続けている。
原発30キロ圏にある県立8高校は3月15日までに「避難指示」や「屋内退避」とされて以降、移転に向けて動いたため、どこも5月9日以降に再開できる見通しが立っている。このままだと相馬農飯舘は1校だけ再開が遅くなりかねない。

 生徒は学校再開を待ち望む。2年の女子生徒(16)は「こうしている間にもどんどん授業が遅れていく。友達にも会いたいし、早く学校に行きたい」。県教委は「役場の移設先の行方を見つつ、保護者の意見も踏まえてなるべく早くとは思っている。4月中にめどを立てたい思いもある。ただ、他校のように5月上旬に再開するのは難しいかもしれない」としている。(川見能人)
by nsmrsts024 | 2011-04-29 04:53 | 朝日新聞・綜合、政治

千年に一度の巨大津波と原発事故による核災害


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