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3月16日(土)・・・

(いま伝えたい)新たな命の成長と復興、見届けたい
■「千人の声」その後 取材後記:10

 【小林直子】更地に響く重機の音、倒れたままの大防潮堤……。2月18日、岩手県宮古市の田老地区を再訪した私は、1年前にタイムスリップしたような錯覚に陥った。目の前の光景が昨年とほとんど同じだったからだ。「復興は想像以上に遅れている」。そう痛感した。

 道の駅駅長の門屋悟さん(46)は、「町の風景にも見慣れてきた」と言う。震災当日、道の駅は一時的な避難所になった。門屋さんが指揮を執り、毛布や売り物の食料を被災者に配って対応した。従業員が半分になっても、被災を免れた数少ない施設として、その後も営業を続けてきた。

 今回、そんな門屋さんに涙ぐんで訴えられた。「もう、そっとしておいてほしい」。震災後、懸命に働いてきた人たちの精神状態は限界だ。実際、再会した人の中には、体調の悪化を訴える人がいた。病気で急に家族を亡くした人もいた。

 昨年、仮設住宅を出ることを切望していた男性(70)を訪問した。男性は不在。1カ月前に脳卒中で突然倒れ、入院中だったのだ。「この生活に疲れちゃったんじゃないかな」。応対してくれた妻は、ぽつりと言って病院へ向かった。

 「災害公営住宅ができる前に死んでしまう」「このまま人口流出が止まらなければ、田老は終わる」。そんな発言が悲しかった。でも、残った防潮堤の上に立ち、荒野となった町を見渡せば、納得するしかない。高台移転先は、まだ雑木が生い茂っている山だ。

 一方で、明るいニュースにも出会った。

 「まさかこんなことになるとは」。待ち合わせ場所に現れた平内寿里さん(36)は、膨らんだおなかをかばいながら、はにかんだ。昨年、平内さんはまだ「山本さん」だった。1年弱の間に結婚、妊娠。6月には、地域にとって待望の子どもが誕生する。

 実家が津波で被災し、一昨年末に花巻市から戻って来た。昨年、私が出会った時は、NPO活動に携わり「地元を元気にしようと思っている若者の住居と職場がない」と訴えた。自身は、両親の仮設住宅の台所で寝泊まりしながら仕事を探す日々を送っていた。

 その後、NPO活動を通して再会した地元の運送会社の男性(39)と交際を始めた。仕事も決まり、「ようやく安定してきたぞ」と思っていた昨年9月、妊娠が発覚した。














3.11東日本大震災と福島第一原発爆発事故から2年
千年に一度の巨大津波と66年後にまた起きた人間が発する核災害の記録
(東日本大震災と放射能人災からの直後の1年間を顧みる)


[2011年4月4日]・・・いわき産シイタケ、基準超える放射性物質 キノコ類初
厚生労働省は3日、福島県いわき市の露地栽培の原木シイタケから、食品衛生法の基準を超える放射性物質が検出された、と発表した。県は、いわき市内の露地栽培の原木シイタケの出荷自粛を決めた。

 検出量は1キロあたり放射性ヨウ素が1.55倍の3100ベクレル、同セシウムが1.78倍の890ベクレル。キノコ類で基準を超えたのは初めて。1日に採取され、2日に検査された。県によると、基準値を超えたシイタケは市場に出回っていないという。県内産のキノコ類23点を検査したが、ほかに基準を超えたものは確認されていないという。



[2011年4月4日]・・・日米合同の不明者捜索、計78遺体を収容
東北地方の沿岸部で1日から始まった自衛隊と米軍、海上保安庁などによる行方不明者の集中捜索は3日、最終日を迎えた。3日午後8時までに発見・収容が確認された遺体は自衛隊・米軍分が69人、海保分が9人の計78人となった。依然として多数の不明者がおり、自衛隊や海保は今後も捜索を続ける方針だ。

 今回の集中捜索は、自衛隊約1万8千人と米軍約7千人の計2万5千人のほか、海上保安庁や消防、警察も参加した。自衛隊・米軍がヘリコプターを含む航空機約120機、艦艇六十数隻などを出動させたほか、海保も航空機9機と船艇27隻を出動。福島第一原発の周辺部を除く、岩手、宮城、福島各県の沿岸や河口部を捜索した。

 自衛隊・米軍と海保は1日に35人、2日に31人を収容。3日は午後8時までに12人の発見・収容を確認した。捜索は3日の日没まで続いた。

 自衛隊の統合任務部隊によると、遺体の多くは、津波で水没した陸地部分や河口近くで見つかった。海上自衛隊のダイバーが水中で発見して収容したほか、洋上で偵察ヘリが見つけたこともあったという。

 自衛隊は震災発生直後から行方不明者の捜索に当たっており、陸上のがれきの下などでは、連日80~100人を発見している。沿岸部では1~4人ぐらいだったが、多くの人が津波の引き波で流された可能性があることから、発生から20日となった時点で、捜索を沿岸部に集中することにした。通常は物資輸送に当たっているヘリも捜索に当たった。

 任務部隊の幹部は「多くの方々が行方不明になっており、捜索は続けていかなければならない」と話している。
by nsmrsts024 | 2013-03-16 05:53 | 朝日新聞・綜合、政治

千年に一度の巨大津波と原発事故による核災害


by nsmrsts024