2017年3月12 日(日 ):災害公営住宅、今後10年で3割退去見通し 宮城・福島

被災地で建設が進む災害公営住宅で、入居者の高齢化が課題になっている。宮城、福島両県が入居者の動向を試算したところ、今後10年間に3割にあたる計6700戸で被災者が退去する見通しになった。被災者の住宅確保と将来の負担とのジレンマを、自治体は抱える。

住まいの復興、ジレンマも 宅地空洞化・入居者高齢化…
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 東北3県で計画されている災害公営住宅は、宮城県1万6千戸、福島県8千戸、岩手県5700戸の計約3万戸。3月末までに8割強が完成する見通しだ。

 だが、入居者の高齢化率を公表している宮城県によると、65歳以上の入居者は38・4%(昨年10月時点)。宮城県民の高齢化率より12・8ポイント高い。

 災害公営住宅は自宅の再建が難しい人に提供される賃貸住宅。入居後に別の住まいを見つける人のほか、死亡や施設に入るなどして退去者が増えてゆく。すでに宮城県では1月末までに269戸で退去している。

 3県は住宅全体の需給計画をたてる中で、災害公営住宅の動向を試算した。2016~25年に、宮城は36%の約5800戸、福島は11%の900戸の被災者が退去すると分析した。岩手は「公表段階ではない」として明らかにしていない。

 空き室になると、ほかの被災者向けに募集し、希望者がいない場合は、一般公営住宅として募集する。

 ただ、震災後に大量に建てられたため、いずれ供給過剰になる恐れがある。宮城県の石巻市では、震災前に1300戸だった市営住宅が6千戸に、気仙沼市では500戸から2600戸に増える。5倍前後の増加だ。人口減少が進む地域のため、「10年たつ前にかなりの空きが出そう」(気仙沼市)との見方もある。

 公営住宅は、入居者の使用料(家賃)で補修や管理などの費用をまかなうのが基本だ。空き室が増えると自治体の財政を圧迫する。(編集委員・石橋英昭)




住まいの復興、ジレンマも 宅地空洞化・入居者高齢化…

 東北の沿岸部で、新しいまちが姿を現しつつある。広大な敷地に、災害公営住宅が立ち並ぶ。一方で、新たに造成した宅地の空洞化や、入居者の高齢化も明らかになってきた。復興が進むほど、新たな課題が重くのしかかるジレンマに、被災自治体は苦しむ。

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 宮城県気仙沼市の南郷地区に、災害公営住宅3棟が並ぶ。10階建てと6階建てで計165戸。3棟の高齢化率は5割を超える。

 2015年1月に入居が始まった。自治会長の藤原武寛さん(51)によると、2年間で約10人の高齢者が亡くなった。このうち3人は、独り暮らしの部屋で倒れたり亡くなったりした状態で見つかった。「6、7年もたてば住民はどんどん減る。若い人が代わりに入ってくれるだろうか」と藤原さんは不安を抱く。

 津波に襲われた被災地では、高台や内陸への「集団移転」と、浸水した市街地の「かさ上げ」によって宅地を造成している。経済事情が苦しくて自宅の再建ができない被災者には、自治体が「災害公営住宅」を建設する。この三つの施策が住まいの復興の柱だ。

 東北3県では、集団移転とかさ上げを合わせた宅地造成が1万9385区画、災害公営住宅は2万9684戸が計画されている。3月末までに、それぞれ69%、83%が完成する。

 気仙沼市は2087戸の災害公営住宅を計画し、5月には全戸が完成する。市は2年前に詳しくシミュレーションをした。ようやく入居できた被災者も、10年後に27%、20年後には51%の世帯がいなくなる。死亡や施設に移る人などで、20年で600戸近くが「世帯消滅」すると見ている。

 空き室になれば、一般の低所得者向けに募集をかける。古い市営住宅から移ってもらうことも選択肢だ。それでも24年ごろには埋まらなくなるとみる。

 市営住宅の戸数は震災前の5倍…



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by nsmrsts024 | 2017-03-12 08:12 | 朝日新聞・綜合、政治

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