2017年8月2日(水 ):防衛相、小野寺氏を再起用へ 伊吹氏は文科相固辞
2017年 08月 02日
世耕弘成経済産業相は留任させる方向になった。首相が重視する北方領土でのロシアとの共同経済活動の推進などを、引き続き担わせる考えだ。
小野寺氏は、政権復帰した2012年末からの第2次安倍内閣で防衛相を務めた。安定した答弁に定評があり、首相の信頼も厚い。南スーダンの国連平和維持活動(PKO)をめぐる日報問題で揺れる防衛省の立て直しに向け、再び防衛相へ起用する方針になった。
小野寺、松山両氏は自民党岸田派に所属。同派会長の岸田文雄外相は首相に自派の議員を優遇するよう求めており、首相も考慮した形だ。岸田派が推す宮腰光寛・元農林水産副大臣の起用も検討する。
自民党役員では細田博之総務会長と下村博文・幹事長代行も交代する見通し。首相と同じ細田派出身の両氏を党の要職から退かせ、党内にくすぶる「お友達優遇」との批判をかわしたい考えだ。
校舎建築費、一律1.5倍か 森友「23億円」の契約書
森友学園の小学校建設をめぐる補助金詐欺事件で、国土交通省に提出された建築費約23億円の契約書は、当初の契約金額の各費目をほぼ一律1・5倍に増額して作られた疑いがあることがわかった。作成には校舎の設計、建設会社も関与しており、大阪地検特捜部は、詐欺容疑で逮捕した学園の前理事長・籠池泰典容疑者(64)と妻諄子(じゅんこ)容疑者(60)からの業者に対する指示など経緯を調べる。
特捜部や関係者への取材によると、両容疑者は小学校舎建設をめぐり金額の異なる3通りの契約書を作成(いずれも2015年12月3日付)。当初15億5520万円で契約したが、翌16年1~2月、国交省の補助金申請のため23億8464万円とした契約書を作り、補助金5644万円をだまし取った疑いがある。
23億円の契約書について校舎施工を請け負った建設会社(大阪府吹田市)の関係者は朝日新聞の取材に、設計会社(京都市)からの依頼で作成したと認めた。校舎や体育館の工事費、現場管理費といった費目の大半の金額が一律1・5倍された書類を設計会社から受け取り、建設会社が使う書式で入力し直したという。
小池知事「密室政治」に批判も 顧問重用、幹部蚊帳の外
2日で就任から1年を迎える小池百合子・東京都知事は、自ら選んだブレーン14人を「都顧問」として重用してきた。ただ、都幹部らが知らないうちに決まる重要政策もあり、「密室政治」との批判が出ている。
「戦う姿勢」で都政1強、小池流1年「敵に回しちゃ…」
「小池流」根回しなし 築地移転、質疑応答は4分
「豊洲が中央卸売市場ということでいいですね」。6月20日午後2時ごろ、都庁7階の知事室。副知事ら都幹部3人が小池氏に向き合い、念押しする形で「中央卸売市場」への言及を求めた。築地市場移転を巡る「基本方針」を小池氏が公表する記者会見は、午後3時半に迫っていた。
3人はこの直前に初めて、基本方針の内容を聞いた。築地市場を豊洲市場に移転後、築地の跡地を再開発して市場機能も整備する――。小池氏の指示で都幹部らがまとめた案とは違う内容だった。検討を重ねた豊洲市場の具体的な収支改善策も入っていない。代わりに、顧問が推した「豊洲と築地の両用」が強く打ち出されていた。
「中央卸売市場」は卸売市場法に基づき、生鮮食料品を扱う中核的拠点として国が認可する施設だ。この機能を築地から移すのかは移転問題の核心だが、発表資料には記載がなかった。「これでは移転するのか分からない」。危機感を持った都幹部が言及を求めた。
直後の会見。小池氏は豊洲市場が「中央卸売市場になる」と明言した。
この経緯を後に知った局長級幹部は漏らした。「今回のように、都幹部らを抜きにして重要政策を決めた知事はいなかった」
【ICBMの衝撃(下)】中国が半島有事にらみ国境部隊を増強 最悪の事態回避に向け 露は影響力アップ狙い経済支援
朝鮮半島情勢が緊迫する中、中国が7月30日に挙行した大規模軍事パレードが改めて関心を集めている。実戦に近い形式で行われた異例のパレードでは、最新の大陸間弾道ミサイル(ICBM)のほかにも、陸軍特殊部隊やNBC(核・生物・化学兵器)防護部隊が披露された。中朝国境付近では中国人民解放軍の増強も伝えられており、最悪の影響が自国に及ばないよう手を打っているもようだ。
軍事パレードの冒頭を飾ったのはヘリコプター部隊だった。習近平国家主席ら軍首脳らが見守る中、武装ヘリ36機が飛来し、着陸するや数百人の兵士が銃を構えながら展開、敵陣に迫るという実戦さながらの演習が繰り広げられた。
パレード初参加という陸軍の空中突撃部隊で、指揮官は中国メディアに「迅速な機動力と正確な攻撃力を兼ね備え、これからの戦争で重要な使命を担っている」と強調した。
パレードでは、陸軍特殊部隊も登場。全地形対応可能な車両32台に乗った、顔に迷彩を施した兵士たちが習氏の前を通過していった。同部隊は2002年に創設された後、今年4月に改編を終えたばかりだ。
国防省報道官はこの日のパレードについて「周辺情勢とは関係がない」とコメントしているが、朝鮮半島専門の軍事関係者は「最新のICBM・東風31AGが初公開されており、米国を意識したパレードとみていい。ただ、それだけではない」として、北朝鮮対応も念頭に置いているとみる。
中国は、米国が制裁を通じた問題解決を断念し北朝鮮を限定攻撃した場合、(1)中朝国境から遠くない寧辺(ニョンビョン)などにある北朝鮮の核関連施設で事故が起きる(2)大量の難民が国境に押し寄せる-事態を懸念している。
米紙ウォールストリート・ジャーナルは7月下旬、「中国が国境付近で軍を改編・増強し、核・化学兵器の攻撃に備えて地下壕を整備している」「最近、北朝鮮へ派遣される可能性がある特殊部隊などの訓練や、武装ヘリによる実弾演習が行われた」と報道した。
さらに「米国が北朝鮮を攻撃すれば、中国は軍事介入しなければならなくなるだろう」とする軍事専門家の見方を紹介し、北朝鮮北部を占領した中国人民解放軍が、(1)核施設を管理下に置く(2)中国へ北朝鮮難民が押し寄せるのを防ぐため安全地帯を設ける-可能性を指摘している。
ただ、朝鮮半島の混乱を恐れて強力な制裁発動を見送っている習氏にとって、米軍の対北攻撃と中国の軍事介入は最悪のシナリオ。制裁発動を受け入れるにしても、秋の中国共産党大会が終わり自らの権力基盤が固まるまで、時間稼ぎをする必要に迫られている。
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「あれは中距離弾道ミサイルだ」。北朝鮮による7月28日のICBM発射をめぐり、ロシア国防省はこう一方的に発表し、反発を強める米国を牽制(けんせい)し、北朝鮮を擁護する姿勢を示した。
北朝鮮のミサイルを故意に“過小評価”する露政府は、4日発射のミサイルに関しても北朝鮮発表の内容を大幅に下回る計測値を公表した。
こうしたロシア側の態度に業を煮やすティラーソン米国務長官は28日、ロシアを「北朝鮮のミサイル開発を経済的に支援する主要国」だと中国と同列に扱って批判。だが、ロシアは米国が非難する北朝鮮との密接な経済関係は国連安全保障理事会の制裁決議に反していないとし、批判を受け入れる気配はない。リャプコフ外務次官は30日、北朝鮮経済を破綻させることに賛同できないと主張した。
ロシアがこれほどまで北朝鮮の肩を持つのは、北朝鮮やシリアなど、問題を抱える国々に接近することで、「国際社会での発言力を高める」(露専門家)狙いがあると指摘されている。
ロシアはこれまで、北朝鮮・羅先(ラソン)にある羅津(ラジン)港の改修を手がけたほか、同港につながる鉄道路線の軌道にロシア規格を導入するなど、着々と関係を強化。今年5月には、羅津港と露極東ウラジオストク間で、貨客船「万景峰(マンギョンボン)」を就航させた。両国間の貿易額は急増しているといわれる。
ロシアは人権上の問題なども指摘されながら、大量の北朝鮮労働者も受け入れている。北朝鮮への影響力行使に利用する思惑があるとみられる。
露政府は6月末、北朝鮮問題解決に向けた「ロードマップ」を作成したと発表した。他国とも協議する用意があるとし、同問題の解決を主導する姿勢を示している。
ただ、北朝鮮への経済支援は同国の核開発を“加速”させかねず、ロシアは結果として、核保有大国としての地位を押し下げられるジレンマに直面しかねない。
(モスクワ 黒川信雄、北京 藤本欣也)
米軍、今年4回目のICBM発射実験へ 北朝鮮に能力誇示
【ワシントン=黒瀬悦成】米空軍は、核弾頭搭載可能な大陸間弾道ミサイル(ICBM)「ミニットマン3」の発射実験を2日未明に西部カリフォルニア州のバンデンバーグ空軍基地で実施すると発表した。今年に入ってのミニットマン3の発射実験は2月、4月、5月に続き4回目。
米国内のICBMや戦略爆撃機を管理・運用する米空軍地球規模攻撃軍司令部によると、実験はミサイルの即応性や命中精度、信頼性を確認するのが目的。同基地の第30宇宙航空団が発射を担当し、ミサイルは約6700キロ離れた西太平洋のマーシャル諸島クエゼリン環礁に向けて発射される。
発射実験は、米本土を射程に収める2回目のICBM発射実験を行った北朝鮮に対し、米軍の核攻撃能力を誇示する効果も狙っているとみられる。
文科・林氏、防衛・小野寺氏=世耕経産相は留任―3日に内閣改造
安倍晋三首相は3日、内閣改造・自民党役員人事を行う。文部科学相に林芳正元農林水産相(56)、防衛相に経験者の小野寺五典政調会長代理(57)をそれぞれ起用することを内定。経済再生担当相には茂木敏充政調会長(61)を充て、新たな看板政策「人づくり革命」も担当させる。世耕弘成経済産業相(54)の留任も内定した。岸田文雄外相兼防衛相(60)は党政調会長に就く。
内閣支持率の急落を受け、首相は今回の人事で党内の実力者や政策通の閣僚経験者を起用し、安定感のある布陣で態勢立て直しを図る考えだ。
林氏は学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画をめぐる混乱の収拾に当たる。第2次安倍内閣で防衛相を務めた小野寺氏は、南スーダン国連平和維持活動(PKO)日報問題の国会対応や北朝鮮核・ミサイルへの警戒が課題となる。
政権の骨格である麻生太郎副総理兼財務相(76)と菅義偉官房長官(68)は留任。4月に就任した吉野正芳復興相(68)、公明党の石井啓一国土交通相(59)も続投が内定した。
また、松山政司参院国対委員長(58)、江崎鉄磨元国交副大臣(73)、中川雅治参院議員(70)の初入閣と鈴木俊一元環境相(64)の入閣が内定。江崎氏は沖縄・北方担当相に起用される。首相と距離を置いてきた野田聖子元総務会長(56)の入閣も調整されている。
自民党人事では、総務会長に竹下亘国対委員長(70)、選対委員長に塩谷立元文科相(67)、国対委員長に森山裕前農水相(72)、幹事長代行に萩生田光一官房副長官(53)が内定した。高村正彦副総裁(75)と二階俊博幹事長(78)は留任する。衆院予算委員長には河村建夫元官房長官(74)が内定した。
[2011.3.11 東日本大震災と福島第一原発爆発事故から6年と4ヶ月]
[1000年に一度の巨大津波と66年後にまた人が起こした核災害、直後に海水で
炉を冷却しておけば爆発は防げた]
3.11東日本大震災 津波 385