2017年9月18 日(月 ):森友・加計問題「論戦しないのか」 有権者から厳しい声

安倍晋三首相が年内の衆院解散を検討していることが報じられたことについて、有権者からは厳しい声もあがる。

 安倍政権の支持率は、学校法人森友学園への国有地売却や加計学園の獣医学部新設を巡る問題などで低下した。28日召集の臨時国会ではこれらの問題が議論される見通しだが、冒頭解散となれば政権の説明の場は遠のく。NPO法人「情報公開クリアリングハウス」の三木由希子理事長は「問題の核心に関する文書もなく、定型文のように『一点の曇りもない』と繰り返す姿勢が政権の支持率の下落につながった。国会論戦になればイメージを悪くするだけで、やりたくないというのが政権の本心だろう」とみる。

 「説明が尽くされていない点を国会で明らかにした上で、有権者に選択を求めるのがあるべき姿。国会論戦のないまま解散するとすれば、説明責任を尽くさない政権の体質が端的に表れた判断だ」

 北朝鮮の核実験や弾道ミサイル発射も相次いでいる。今年3月、領海へのミサイル落下を想定して政府と住民避難訓練を行った秋田県男鹿市で地区の自主防災会長を務める高野進さん(77)は「ミサイル発射がやまない危機的な状況下での解散はもっての外。民進党がゴタゴタするのに乗じて党利党略のみを考えた行動だ」と怒りを隠さない。「ここは体の不自由なお年寄りも多く、みんな不安を感じている。解散よりも危機対応を進めてほしい」と話した。





【衆院解散】与野党動き出す 首相、北問題長期化を懸念 自公「このタイミングしかない」 民進は「民共共闘」結論迫られる
安倍晋三首相が28日召集の臨時国会の早い段階で衆院解散の方針を固めたことを受け、与野党は17日、一気に臨戦態勢に突入した。内閣支持率が回復傾向にある中、自民党は「首相の決断に従う」と理解を示し、野党は北朝鮮情勢を念頭に「政治空白をつくるべきではない」と批判を強める。ただ、民進党は共産党との共闘路線の可否が焦点となり、対応を誤れば党崩壊の危機が迫る。(小川真由美、水内茂幸)

 首相は17日夜、自民党の塩谷立選対委員長を私邸に呼び、衆院解散など今後の日程について、18〜22日の訪米予定を踏まえ「帰国してから決める」と述べた。

 解散をする理由に、核実験や弾道ミサイル発射を強行する北朝鮮の問題を挙げ、「今より緊迫化して解散しにくい状況になるかもしれない」と語った。小池百合子東京都知事に近い勢力による国政新党の準備が整っていないことも理由の一つに挙げた。

 自公両党は18日に幹事長会談を開催する。公明党の支持母体の創価学会は17日、方面長会議を開き、臨時国会冒頭にも解散があることを念頭に準備を進めることを確認した。

 首相に近い自民党の萩生田光一幹事長代行は17日、都内で記者団に、衆院解散に関し「首相が決断すれば従いたい」と述べた。その上で「北朝鮮の脅威とどう向き合うかも含め、国民に説明する必要がある。大義なき、党利党略であってはならない」と指摘した。

 内閣支持率が回復傾向である上、民進党は離党者続出で混乱していることもあり、自民党からは「このタイミングしかない」「勝てるときにやるものだ」と評価の声が相次いだ。

 公明党には年内の衆院選に慎重な意見も出ていたが、ベテラン議員の一人は「与党が3分の2以上の勢力を失うかもしれないが、このまま解散せずにいたら安倍首相では戦えないという声が強くなりかねない」として、首相の衆院解散の決断に理解を示した。



 「受けて立ち、国民の意思はどこにあるかを見せつけなくてはいけない」

 民進党の前原誠司代表は17日、党本部で記者団に、安倍晋三首相が衆院解散の方針を決断したことについてこう述べた。同時に「北朝鮮が核実験や弾道ミサイルを撃つ中、本気で政治空白をつくるつもりか。学校法人『森友学園』や『加計学園』の問題の追及から逃れるための『自己保身解散』だ」と述べ、首相を批判した。

 民進、自由、社民の3党は、臨時国会で統一会派を結成するために予定した17日の党首会談を中止した。代わって、前原氏は民進党本部に行き、大島敦幹事長らと協議を行った。

 大島氏は記者団に、協議の内容について「年内の衆院解散があるという報道を踏まえて、まずは現状をしっかり認識することがメインだった」と強調した。

 同日夜には、都内で前原氏と枝野幸男代表代行らが会談し、政権公約(マニフェスト)を早急に作ることを決めた。枝野氏は共産党との共闘路線の維持を求めるだけに、今後の党の方針も話し合ったとみられる。

 前原氏は、かつて共産党を「シロアリのようなもの」と批判し、党代表選では民共共闘を「是非も含め見直す」と明言していた。ところが、「地域の事情を踏まえる」と共闘に含みを持たせる発言をするようになり、代表選後に共闘を批判する衆院議員3人が離党届を提出した。

 前原氏は17日も、民共共闘について「理念や政策の一致し、共有できるところならどことでも協力していく」と述べるにとどめた。

 共闘を維持すればさらなる離党者が出かねない。逆に、共闘をやめれば非自民票が分散する厳しい戦いを強いられることになる。前原氏の真価がまもなく問われる。




衆院選、10月22日が有力 臨時国会冒頭解散が軸
安倍晋三首相が28日召集の臨時国会冒頭で衆院の解散・総選挙に踏み切る公算が大きくなった。10月22日の投開票が有力だ。年内の解散方針で政権幹部は一致しているが、臨時国会で森友・加計学園問題をめぐる野党からの追及を受ける前に解散したほうが得策との判断に傾いた。野党は「疑惑隠し」「大義なき解散」と反発している。

 安倍首相は17日夜、自民党の塩谷立・選挙対策委員長を都内の私邸に呼んだ。首相は「北朝鮮情勢への対応が長期戦になると、(解散時期の)判断が難しくなる」と述べ、早期解散に踏み切る理由に言及。冒頭解散が有力な選択肢であるとの認識も示した。小池百合子・東京都知事が事実上率いる地域政党「都民ファーストの会」と連動した国政政党の準備状況についても分析したという。

 首相は国連総会出席のため18~22日に訪米する予定で、帰国後に最終判断する意向も示した。想定される総選挙の日程は、10月10日公示、22日投開票。ずれ込む場合でも17日公示、29日投開票となりそうだ。

 首相が冒頭解散に傾いたのは、臨時国会で代表質問や予算委員会を通じて森友・加計学園問題などで追及を受ければ、回復に転じた支持率への打撃が予想されるとの判断に加え、民進党の離党騒動が収まっていないことも大きい。閣僚の一人は「とにかく早くやるべきだ」と話す。選挙戦ではアベノミクスの継続のほか、教育や社会保障制度を抜本的に見直す「人づくり革命」を打ち出す見通しだ。

 野党は解散に向けた動きにさっそく反発。選挙戦では、解散のあり方も争点の一つにする考えだ。

 民進党の前原誠司代表は17日、党本部で記者団に「国会で追及されることから逃げるために北朝鮮の状況なども全く度外視。自己保身解散だ」と批判。共産党の小池晃書記局長は同日、朝日新聞の取材に「疑惑隠しだ。これほどまでに大義のない解散はかつてなかった」と語った。

 冒頭解散の公算が大きくなったことで、与野党は選挙準備を加速。この日予定していた民進、自由、社民の野党3党首会談は、解散に備えた選挙態勢づくりを優先するとして見送られた。





高齢者に迫る「大負担増時代」 じわり拡大、全体見えず
65歳以上の高齢者人口が推計で3500万人を超えた。医療や介護といった社会保障制度は見直しを迫られ、支払い能力に応じて高齢者にも負担を求める流れが続く。さまざまな負担が積み重なる「大負担増時代」を迎え、高齢者の家計はどんな影響を受けるのか。丁寧な検証が欠かせない。(編集委員・清川卓史)

 高齢者の負担増は、医療や介護で今年度から来年度にかけて段階的に進んでいく。今回の制度見直しがほぼ実施される来年8月時点の負担は、今年3月時点と比べてどうなるのか。

 東京都内で一人暮らし、年金収入が年211万円ある78歳の男性。こんなモデルを想定してみる。

 持病があって通院を繰り返し、さらに急病で入院。医療費が月60万円かかったとする。自己負担割合は1割だが、「高額療養費」の制度で負担する月額の上限は決まっている。この男性の所得と年齢では、今年8月に4万4400円から5万7600円に上がった。

 75歳以上が対象の後期高齢者医療制度の保険料も中程度の所得層で段階的に上がっている。この男性の所得なら月2千円以上の値上げに。医療費と合わせ、負担月額は計1万5千円以上増える計算だ。

 医療だけでなく、介護の負担も増す。

 次に、年金収入が年290万円で82歳の夫と年80万円で80歳の妻の夫婦世帯のモデルを想定する。

 夫は訪問介護や通所介護などのサービスを月25万円分利用。自己負担割合は2割だが、「高額介護サービス費」で月額に上限がある。この上限も今年8月に見直され、この夫の所得なら3万7200円から4万4400円に上昇した。

 妻はこの月、体調を崩して複数の病院に通い、20万円の医療費がかかった。自己負担の月額上限は1万2千円から段階的に1万8千円になる。夫婦では、合計約1万3千円の負担増だ。

 これらは社会保険労務士の井戸美枝さんの協力を得て試算した結果だ。いずれのモデルも中程度以上の所得層。医療や介護の負担が長期間にわたり重くなった場合、さらに軽減する仕組みもある。それでも月1万円余りの負担増は軽視できない。

 ログイン前の続き井戸さんは「制度の見直しがトータルで家計に与える影響は、専門家でもとらえにくい。特に年金から天引きされる社会保険料は上がり続け、手取りの生活費が減る。将来の負担増が見えず、不安が広がってしまう」と指摘する。

 負担感は社会保障以外にも広がる。消費税率は引き上げの途上だ。水道料金は上昇が続き、人口減などの影響で今後30年間で約6割の値上げが必要という日本政策投資銀行の試算もある。一方、年金は長期的に目減りしていく。

 負担増がじわりと広がり、高齢者の家計に低温やけどのような深刻な打撃を与える恐れがある。

■負担増、中間層にも

 負担増が押し寄せるのは、医療費や介護費が膨張し、今の税収や保険料で財源を賄いきれなくなっていることが背景にある。

 1人あたりの医療や介護の費用が多くなる75歳以上は急増。2025年には「団塊の世代」がすべて含まれ、全人口の18%を占めることに。社会保障の給付費は25年度で150兆円に迫る見込みで、12年度と比べて介護は2・3倍、医療は1・5倍に増える。

 保険料や税金を多く負担する現役世代は減っていく。だから、負担能力がある高齢者に応分の負担を求めることは避けられない。

 ただ、高齢者の負担増は「一定の所得がある」とみなされた中間層にも広がっている。介護サービスの自己負担割合は、15年8月から単身で年金のみの収入が年280万円以上あれば1割から2割に。年344万円以上なら来年8月から3割負担になる。

 介護保険の電話相談などを受けている市民福祉情報オフィス・ハスカップの小竹雅子さんは「2割負担を導入したとき、『毎月の負担に上限額があるから影響は抑えられる』と国は説明した。だが、今年8月からその上限額自体が引き上げられた。時間差攻撃のようなものだ」と懸念する。

 今後も75歳以上の患者の窓口負担など、さらなる負担増が検討されている。

 東海地方の50代の女性は、要介護5の認知症の母親の介護のため仕事に就いていなかった。母親の医療や介護の保険料は払っていたが、自らの国民健康保険料は滞納。子宮肉腫の受診が遅れ、亡くなった。

 約1800の病院や診療所などでつくる全日本民主医療機関連合会がまとめた16年の「経済的事由による手遅れ死亡事例調査」に記された事例の一つだ。

 介護保険料滞納のペナルティーとして自己負担割合が1割から3割になった人は15年度で1万人を超す。社会保障の安全網からこぼれ落ちる事例は今後、中間層にも広がりかねない。

 政府は13年、年齢を問わない「能力に応じた負担」の理念を明確に打ち出した。この理念に基づく制度見直しの影響が顕在化し始めた今こそ、その痛みの検証も真剣に考えるときだ。

 今年5月には国会で、介護の2割負担の影響分析を求める付帯決議がなされた。介護にとどめず、制度の枠を超えた多面的な分析が必要だ。「一定の所得」による線引きも含め、負担増の影響を専門に検証する常設組織を設けてもよい。

 その上で、まず障害福祉や保育も含めた社会保障の自己負担総額に上限を設ける「総合合算制度」を導入してはどうか。消費増税に伴い検討され、立ち消えになったが、制度ごとに縦割りの負担増を抑制できる仕組みの一つになる。

 それでも苦境に追い込まれる人は出てくる。「最後の安全網」である生活保護は、より柔軟に利用しやすくしなければならない。

 多重負担が避けられない時代だからこそ、こうした取り組みが不可欠だ。それを抜きには、老後破綻(はたん)への不安は抑えられない。







[2011.3.11 東日本大震災と福島第一原発爆発事故から6年と6ヶ月]
[1000年に一度の巨大津波と66年後にまた起こした核災害、直後に海水で
炉を冷却しておけば爆発は防げた]

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    3.11東日本大震災     津波 480
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by nsmrsts024 | 2017-09-18 05:53 | 朝日新聞・綜合、政治

千年に一度の巨大津波と66年後にまた起きた核災害


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