<   2012年 05月 ( 31 )   > この月の画像一覧

5月31日(木)・・3.11東日本大震災と福島第一原発爆発事故から1年と2カ月

[灰受け入れ先なく、がれきの試験焼却延期 静岡・富士宮]
静岡県富士宮市は31日、7月に予定していた「震災がれき」の試験焼却を延期すると明らかにした。焼却灰の処分場がある埼玉県寄居町と長野県小諸市から「地域住民の理解が得られない」として受け入れを拒否されたという。

 富士宮市の須藤秀忠市長は3月、岩手県山田町と大槌町の震災がれきを受け入れる意向を表明。市は以前から家庭ごみの焼却灰の処分を委託してきた寄居町と小諸市の二つの民間業者に対し、がれきの焼却灰の処分も委託することを想定していた。

 ごみ処理を県外の業者へ委託する場合、処分場がある自治体との事前協議を経て、業者と委託契約を結ぶ必要がある。富士宮市が寄居町と小諸市に協議前に打診したところ、「震災がれきの焼却灰の受け入れはできない」と通告してきたという。


[震災死者1万5859人、不明3021人 30日現在]
東日本大震災(余震を含む)について、警察庁がまとめた死者は30日現在、1万5859人。警察に届け出があった行方不明者は3021人となっている。







千年に一度の巨大津波と66年後にまた起きた人間が発する核災害の記録
(東日本大震災と放射能人災からの1年間を顧みる)

[2011年4月23日]・・・東電社長が原発周辺の住民に土下座謝罪
福島県を22日に訪れた東京電力の清水正孝社長は、福島第一原発事故の発生後初めて佐藤雄平知事に謝罪した後、原発近くの5町村が仮役場を置く県内外4施設を回り、住民らに謝った。

 郡山市では、川内村の遠藤雄幸村長や富岡町の遠藤勝也町長に会い、「一日も早く古里に戻れるように全力を尽くします。改めておわび申し上げます」と述べた。その後、約1300人が避難生活を送る施設内を2時間近くかけて回った。

 富岡町の男性(29)は「5歳の長男はいつも地元を思い出し、友達に会いたい、と泣いている」と強い口調で迫った。前日に貴重品を取りに自宅へ戻った同町の女性(57)は「自分の家に入るのに、なんで防護服が必要なんですか。悔しい」と涙を流した。清水社長は「一日も早く収束させます」「申し訳ありません」と繰り返し、土下座する場面もあった。

 双葉町の町民が避難している埼玉県加須市の旧県立高校に清水社長が到着したのは午後9時40分ごろ。消灯時間が近づいていたため住民のもとへは行かず、井戸川克隆町長に「大変遠いところに避難され、心身共につらい状況を承知しています。申し訳ございません」と謝罪した。井戸川町長は「補償を速やかに実施してもらいたい」などと応じた。

 清水社長は、報道陣の取材に「地域との信頼関係が崩れたことを痛感した。信頼関係をいかに再構築するかも大事だと認識した」と話した。(小寺陽一郎、釆沢嘉高)


[2011年4月23日]・・・福島原発、当初は事故でない「レベル3」と評価 保安院
経済産業省原子力安全・保安院が、福島第一原子力発電所の事故について、事故やトラブルの深刻さを示す国際原子力事象評価尺度(INES)で当初は「レベル3」と暫定評価していたことがわかった。レベル3は「事故」ではなく「事象」に分類される。保安院の初動の認識が甘かったことを示した。

 保安院は3月12日夜の記者会見でINESで「事故」にあたるレベル4と発表した。その後、旧ソ連チェルノブイリ原発事故に匹敵する最高のレベル7にまで引き上げられた。

 レベル3の評価は地震発生から約10時間後の3月12日午前0時半の段階。福島第一1~3号機、福島第二1、2、4号機について地震と津波の影響で、外部電源も非常用電源も使えなくなっており、原子炉から熱を除く機能が失われたことから評価した。

 その2時間半後には福島第一原発で放射性物質を含む蒸気を外部へ放出する排気(ベント)の方針が発表された。このころ、すでに原子炉につながる配管の隙間などから放射性物質が外部に漏れ出していたとみられ、12日午前6時には中央制御室の放射線量が通常の1千倍に上がったと公表された。

 保安院は3月18日に米国スリーマイル島原発事故に相当するレベル5、4月12日に旧ソ連チェルノブイリ原発事故と同じレベル7に暫定評価を引き上げた。

 INESはレベルが0~7まで8段階ある。トラブル発生後、24時間以内に暫定評価して国際原子力機関(IAEA)に報告するのが原則的なルールだ。

 住田健二・大阪大名誉教授は「進行中の事故を評価するのは難しい」としたうえで、当初レベル3とした評価について「今からふりかえってみれば、認識が甘かった証しなのではないか」と話している。(小堀龍之)


[2011年4月23日]・・・「排気の遅れ、水素爆発招いた」 米紙が原発事故分析
23日付の米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は、福島第一原子力発電所の事故について、放射性物質の外部放出を懸念し、東京電力が格納容器内のガスの排出をためらったことで水素爆発を招いたとする分析記事を掲載した。

 同紙は、同原発1号機は地震・津波の発生から半日たった3月12日午前2時半に格納容器内の圧力が2倍に達し、東電は排気を決めたとしている。

 しかし、準備などに手間取り、実際に排気できたのは同日午後。その約1時間後に水素爆発が起きて原子炉建屋が破壊された。これに伴う炉心の損傷はなかったが、「壁」の一つが失われたことでその後の大量の放射性物質の放出につながったほか、炉の冷却のための作業を妨げる原因にもなった。

 同紙によると、日米の専門家は排気の遅れで水素爆発が起きやすい条件ができたと考えている。放射性物質と水素を含む格納容器内のガスは、排気専用のパイプを経由して建屋の外にある排気塔に導かれるが、圧力が2倍になるまで待ったため、パイプの継ぎ目などからガスが漏れやすくなり、建屋内に充満した可能性があるという。

 専門家は「放射性物質の放出を心配するあまり排気に慎重になったことが、事態を悪化させたようだ」とみている。水素爆発の防止を重視する米国は、格納容器内の圧力が耐圧に達する前でも早めに排気を行うことにしており、同様の方針は韓国や台湾でも採用されていると指摘している。

 米国では、1979年のスリーマイル島原発事故で作業員の判断ですばやく排気が行われ、原子力規制委員会(NRC)が追認したが、日本では排気は「最後の手段」として、電力会社のトップや政府の判断を待ってから行う体制。記事はこうした考え方の違いも排気の遅れにつながった可能性を指摘した。(パナマ市=勝田敏彦)


[2011年4月24日]・・・3月15日にはレベル7相当 放射能放出量、安全委試算
東京電力福島第一原発の事故で、大気への放射能(放射性物質)の放出量が3月15日夜までに約19万テラベクレル(テラは1兆倍、放射性ヨウ素換算)で、国際的な事故評価尺度(INES)で最悪のレベル7に達していた。原子力安全委員会の試算でわかった。  安全委などは4月12日にレベル7を発表、その夜に政府高官が「3月15~17日の時点で、レベル7に相当する量が放出されていた」との見方を示していたが、数字上も裏付けられた。

 3月15日朝には、2号機の原子炉格納容器につながる圧力抑制室が爆発しており、この影響を受けている可能性がある。

 今回判明したのは、3月15日午後9時までの放出総量で、約19万テラベクレル。レベル7の判断基準となる5万テラベクレルを超えていた。14日までには5万テラベクレルに達していなかったとされる。安全委は3月11日の地震以降、4月5日までの放出量の総量は63万テラベクレルと試算していた。

 安全委はまた、4月5日時点での1日当たりの放射能放出量は154テラベクレルだったとの試算も明らかにした。ピーク時の1万分の1ほどで、安全委は現状も同様のレベルで推移している、との見方を示した。(佐藤久恵、桜井林太郎)
[PR]
by nsmrsts024 | 2012-05-31 04:45 | 朝日新聞・綜合、政治

5月30日(水)・・3.11東日本大震災と福島第一原発爆発事故から1年と2カ月

[復興応援国債に付く金・銀貨、公募のデザイン決まる]
財務省は29日、東日本大震災の復興財源にあてるための「復興応援国債」を持つ人に贈る金貨・銀貨の一般公募デザインを発表した。2673点の応募から神奈川県の小学4年生、小島太一くんの作品など6点を選んだ。

 応援国債は、震災の復興に回すお金を増やすため、普通の国債よりも低い金利にしている。そのお礼として、政府は発行から3年後の保有者(100万円分以上)に記念貨幣を贈る予定で、デザインを募っていた。表側は金貨、銀貨合わせて6種類のデザインにし、裏側には岩手県陸前高田市の「奇跡の一本松」が共通して描かれる予定。


[大飯再稼働、関西広域連合に再説明 細野原発相]
細野豪志原発相は30日、鳥取県伯耆町で開かれた関西広域連合の首長会合に出席し、関西電力大飯原発(福井県おおい町)の再稼働に向けた政府の安全対策を再説明した。細野氏は、首長らが求めてきた原子力規制庁の設置法案が国会で審議入りしたことに触れ、「(規制庁発足後に)より厳しい安全基準で再稼働が適正だったかを再評価する」と述べ、再稼働に改めて理解を求めた。

 細野氏は、福井県の西川一誠知事が求めてきた大飯原発の特別な安全監視態勢について、経済産業副大臣らを原子炉の出力が最大になるまで現地に駐在させ、検査要員を増員する方針も明らかにした。

 細野氏と斎藤勁官房副長官の首長会合への出席は19日に次いで2回目。細野氏は前回も野田政権が決定した三つの安全基準を説明したが、橋下徹大阪市長が「基準ではなく津波対策に過ぎない」と反発するなどし、再稼働への賛同は得られなかった。









千年に一度の巨大津波と66年後にまた起きた人間が発する核災害の記録
(東日本大震災と放射能人災からの1年間を顧みる)

[2011年4月22日]・・・南相馬市長と志津川病院の医師、「世界の100人」に
米タイム誌が21日の特別号で発表した今年の「世界で最も影響力のある100人」の中に、東日本大震災による原発事故で警戒区域に一部が含まれている福島県南相馬市の桜井勝延市長ら、被災地の日本人が2人、世界の政治家や著名人らと並んで選ばれた。

 桜井市長は3月下旬、被災直後の現状について、情報不足や物資調達が滞っていることをカメラに向かって11分間にわたって訴え、動画サイト「ユーチューブ」に投稿。英語の字幕付きの映像が登場するなどして、閲覧者が爆発的に増え、世界各地に「フクシマ」の窮状が伝わった。

 タイム誌は、「優れた効率性で知られる日本が、弱い立場の市民に応えられなかったことを世界中に考えさせた」と評価した。

 壊滅的な被害を受けた宮城県南三陸町の志津川病院で、患者らを最上階に避難させながら、診療し続けた菅野武医師も選ばれた。

 100人に順位はないが、オバマ米大統領や英仏独の首脳、習近平・中国国家副主席、北朝鮮の金正日総書記の三男、正恩氏らが入っている。

 タイム誌の選出と別に行われたサイト上の読者投票では、「福島原発の作業員」が16位に入り、24位のペイリン前米アラスカ州知事を上回った。(ニューヨーク=田中光)

     ◇

 タイム誌に選ばれた菅野武医師(31)は、「2日前にメールで連絡をもらい、びっくりした。私だけでなく、困難な状況のなか、日本が前を向いて立ち上がっている姿の象徴として、この地域(や自分)が選ばれたのではないか。被災地への応援や励みになればと思う」と感想を語った。

 菅野さんは仙台市出身。自治医科大卒業後、宮城県内の病院勤務を経て、2009年4月から2年間、同県南三陸町の公立志津川病院に内科医として勤務した。今年4月初めから東北大学の博士課程で学ぶ予定だったが、その矢先に被災。予定を延期し、今月15日まで町内の避難所に併設された救護所で、治療や全国から来た医療支援チームの調整にあたっていた。

 被災直後の3月16日、妻の由紀恵さん(32)が仙台市内の医院で男の子を出産した。困難を乗り越えるような賢さを、との願いを込めて、「怜(れい)」と名付けたという。


[2011年4月22日]・・・仮設住宅の私有地賃料、国が負担 自治体の用地確保支援
菅政権は、東日本大震災の被災者用仮設住宅の建設用地として自治体が私有地を借りた場合、国が借地料を肩代わりすることを決めた。借地料の不要な公有地だけでは十分な用地を確保できないと判断。仮設住宅の建設が進まない現状を打開するため、異例の措置に踏み切る。

 これまで仮設住宅は公有地に建てられ、基本的に借地料は必要なかった。だが今回は津波被害で自宅を流された人が多いうえ、国土交通省が津波被害を受けた地域に仮設住宅の建設を認めていないこともあり、建設用地が不足。東日本大震災では、6県が7万2290戸の仮設住宅建設を要請しているが、用地の確保にめどがついたのは2万6千戸にとどまっている。

 このため、仮設住宅を規定した災害救助法を所管する厚生労働省は22日までに「今般の災害による被害の甚大さにかんがみ、用地確保が困難な場合には、通常の借料の範囲内で災害救助法の対象となる」とする通知を自治体に送り、土地の借り上げ費用を国が負担する方針を伝えた。主に農地を借り上げることを想定している。

 厚労省は「過去の災害で国が借地料を払った事例は聞いたことがない」(同省災害救助・救援対策室)としている。農地に建設すると作付けができなくなるが、災害救助法には補償の定めがなく、今後の課題となる。(関根慎一)


[2011年4月22日]・・・コメ作付け禁止を発表 福島県の水田の8分の1
福島第一原発から半径20キロの警戒区域に加え、22日に発表された計画的避難区域、緊急時避難準備区域でも原子力災害対策特別措置法に基づき、今季のイネの作付けが禁じられた。

 3区域には水田が約1万ヘクタールあり、福島県全体の水田の8分の1に当たる。コメ農家は約7千戸あり、県全体の1割。枝野幸男官房長官は「適切な補償が行われるよう政府として万全を期す」と述べた。

 農林水産省は作付けを禁じる基準について、「土壌中の放射性セシウム濃度が土1キログラム当たり5千ベクレルを超える水田」と設定。県内の水田113地点の土壌の検査を実施し、飯舘村と浪江町内の計10地点が該当した。

 検査結果などから農水省は、両町村が含まれる計画的避難区域について作付けを禁じることが適当と判断。また緊急時避難準備区域で基準を超える地点はなかったが、「自主的な避難を求める」という区域の性質上、稲作を禁じるのはやむを得ないとした。

 土壌改良は技術的に困難で、作付けが禁止された区域は来季以降も作付けができない可能性がある。農水省はナタネなど代替作物の研究を進める。

 福島県はコメ収穫量が約45万トンで全国4位。コシヒカリやひとめぼれで知られる。今回の範囲内のコメの推計収穫量は約5万トンだが、他の都道府県などに振り分ける調整を進めている。

 今回の範囲では野菜などの作付けや家畜の飼育は禁じられないが、鹿野道彦農水相は「実質的には(営農は)なかなか難しい。我々としては強く補償されるべきだと求めたい」と話した。

 農水省は今回作付けを認めた区域についても、コメの収穫時に検査を行い、基準を超える放射性物質が検出されれば同法で出荷を停止する方針だ。(大谷聡)


[2011年4月22日]・・・東北新幹線29日に全線復旧 運転本数は通常の8割前後
JR東日本は22日、東北新幹線が29日に全線復旧すると発表した。30日ごろとしていた一ノ関―仙台の復旧予定日が固まった。一部区間で徐行するため、東京―新青森はこれまでより55分長い最速4時間5分で結ばれる。

 当面の運転本数は東京―仙台が上下計108本で、東京発、仙台発ともに1時間に4本ほど。東京―新青森は上下計29本で、いずれも通常の8割程度の運転となる。震災前の3月5日に運転を始めた新型車両「E5系」の「はやぶさ」も東京―新青森、東京―仙台をそれぞれ1日1往復する。

 東北新幹線は23日に一ノ関―盛岡が、25日に福島―仙台がそれぞれ復旧する。

[2011年4月22日]・・・積算放射線量の推定マップ公表へ モニタリング強化
文部科学省、経済産業省、原子力安全委員会は22日、環境中の放射能汚染のモニタリング(監視)を連携して強化していくと発表した。今月中に大気中の放射線量の分布や積算線量の推定マップを作って公表する。土壌や海洋も観測地点を増やし、今後の避難区域の設定や解除などの判断材料にする。

 3者は福島県や東京電力とも協力して、環境中の放射性物質の分布をはかり、「線量測定マップ」を作る。年間の被曝(ひばく)線量20ミリシーベルトを基準に、事故発生後1年間の積算線量の推定マップも作製。いずれも月内に1回目の公表を行い、月2回更新する。

 土壌も調査地点を増やし、詳しい汚染マップを作る。結果は、農作物の作付けや校庭の利用などの可否を判断する参考データなどに使う。

 海洋については、文科省の観測地点を、原発から沖合60キロ付近までの12地点から南北に2点ずつ増やし、16地点とする。海面と海底から10メートルの海水を採取していたが、中間層の調査も行う。水産庁と連携し、海産物への影響も調べる。

 各都道府県は福島第一原発事故の以前から、大気中の放射線量や放射性物質の降下物、水道水について計測している。ただ、調査地点は1カ所で、文科省への報告も年1回だった。原発事故以降は、調査地点や回数を大幅に増やし、数値の推移を監視している。

 モニタリングのデータは、避難区域や警戒区域の設定などに活用された。科学的根拠に基づいて、よりきめ細かい対策に役立てるためだ。

 実際にモニタリング結果から、浪江町や飯舘村など原発から30キロ以上離れている地域でも、局所的に放射線量や土壌の汚染度、降下物の数値が高いことが確認された。

 計画的避難区域の設定では、放射線量の実測値をもとに、今後1年間の積算線量を試算。それまでは同心円状に20キロ圏内に一律設定していた避難区域を、年間積算量が20ミリシーベルトを超えると推定される地域にまで拡大した。

 九州大学アイソトープ総合センターの百島則幸教授(環境放射能)は「モニタリングの結果は、測り方や場所、天候により数値は異なる。数字に一喜一憂せず、変動幅の推移や傾向を見守ることが大切だ」と話している。
[PR]
by nsmrsts024 | 2012-05-30 07:21 | 朝日新聞・綜合、政治

5月29日(火)・・3.11東日本大震災と福島第一原発爆発事故から1年と2カ月

[原子力規制庁法案、審議入り 修正協議が本格化]
原発規制を見直す原子力安全改革2法案が29日午後、衆院本会議で審議入りした。6月21日の国会会期末に向けて、規制官庁のあり方などをめぐり与野党の修正協議が本格化する。

 政府案では、規制を担う原子力規制庁を環境省の外局として新設する。原発を推進してきた経済産業省から原子力安全・保安院を分離し、内閣府の原子力安全委員会の機能とともに規制庁に集約する。規制庁の独立性を監視する機関として、庁内に原子力安全調査委員会を設ける。

 また、原発の安全基準や防災対策を抜本的に見直し、原発の運転期間を原則40年に法制化。原子炉が壊れるような「重大事故」の対策を電力会社に義務づける。原発から半径8~10キロとなっている防災対策の重点区域を半径30キロに広げ、関係自治体に地域防災計画の策定を義務づける。


[なぜ無線鳴らなかったのか… 震災遺族ら公開質問状]
東日本大震災の津波で約1千人が犠牲になった宮城県名取市で、防災無線が稼働しなかったため被害が広がったとして、遺族らが29日、原因解明を求める公開質問状を佐々木一十郎市長に出した。

 遺族らによると、市は昨年3月11日、大津波警報発令後の午後2時57分から計14回、市と市消防本部の担当者が防災無線のマイクに向かって避難を呼びかけた。だが、実際には市全域で放送されなかった。

 市職員が機器の故障に気づいたのは約4時間後の午後7時ごろ。その間、他の方法での避難の呼びかけはなかった。遺族会の竹沢守雅副会長(44)は「妻の母と一緒にいた8カ月の息子がまだ行方不明。無線が鳴り、広報車が来ていれば逃げていたと思う」と話す。

[放射能汚染「最大の環境問題」 12年版環境白書で指摘]
政府は29日、2012年版「環境・循環型社会・生物多様性白書」を閣議で決定した。「放射性物質による環境汚染は最大の環境問題」として、東日本大震災と原発事故対応について1章をもうけ、除染やがれき処理の取り組みを紹介している。

 原子力発電について白書は、事故が発生すれば深刻な環境汚染を生じさせることを指摘。温暖化対策のため「一層の活用を図る」としていた10年白書はもちろん、「エネルギー政策全体の議論が必要」などと述べるにとどめた大震災後の11年白書と比べても、踏み込んだ記述となった。

 このほか岩手、宮城のがれきを全国で受け入れる「広域処理」に関連し、「平時から災害廃棄物の相互の受け入れに関する仕組みを検討しておくことが重要」としている。









千年に一度の巨大津波と66年後にまた起きた人間が発する核災害の記録
(東日本大震災と放射能人災からの1年間を顧みる)

[2011年4月21日]・・・警戒区域、一時帰宅完了に1~2カ月 家財搬出は最小限
東京電力福島第一原子力発電所の半径20キロ圏内を22日午前0時に「警戒区域」とする菅政権は、全希望者の区域内への「一時帰宅」が完了するまでに1~2カ月程度を見込んでいる。一通り帰宅するまでは、複数回にわたる出入りは認めない方針だ。

 菅政権の実施案によると、一時帰宅の対象は大熊町、葛尾村、川内村、田村市、富岡町、楢葉町、双葉町、南相馬市、浪江町の20キロ圏内にある約2万7千世帯。帰宅を希望できるのは1世帯の代表者1人に限り、健康への影響などを考えて妊婦や中学生以下の子どもには認めない。  帰宅にあたっては、20人程度の班単位でバスに乗り、滞在を約2時間程度に限定。滞在中に浴びる放射線量を1ミリシーベルト以下に抑えることを基準とし、雨天の場合や、風向きが原発の風下になった場合を避けて、実施を決める。

 避難住民からはできるだけ早く帰宅させるよう望む声が上がっているが、希望者の数や気象条件で進み具合が大きく変わるため、希望者全員の帰宅完了には1~2カ月が必要と期間に幅をもたせている。

 帰宅する住民は防護服や放射線量計を身に着け、圏内での行動は帰宅だけに制限される形になる。着の身着のままで避難した住民たちからは家財や衣類など、できるだけ多くのものを持ち出したいとの希望が多い。菅政権は自分で持ち運びができ、バスに持ち込める「必要最小限」に限定する考え。財布や通帳といったものを想定している。

 住民から寄せられている「乗用車を持ち出したい」との希望に対しては、バス移動の制約があるため、自治体と実施の手順などについて相談し、実現の可否を検討中だ。「ペットを連れ出したい」という希望も、放射線被害がないかの検査(スクリーニング)の態勢を整えられるかどうかの検討をしているという。


前ページ
12一時帰宅の開始時期について菅政権は、関係自治体にも「できるだけ早く」とだけ説明している状況。実施に向けた調整を自治体側と進め、住民への説明と準備が整い次第、一時帰宅を開始するとしている。(田内康介)


[2011年4月21日]・・・原発20キロ圏内の家畜、全額補償へ 農水省方針
福島第一原発から半径20キロ圏内の避難指示区域にいる家畜について、農林水産省は畜産農家に対し、評価額全額の補償請求を認める方針を決めた。東京電力と政府で賠償を検討する。

 農水省によると、20キロ圏内には牛農家280戸で計3385頭、豚が8戸で計3万1486頭、鶏が17戸で計63万3千羽いる。  原発事故で3月11、12日に避難指示が出された際、家畜をそのままにして離れた農家が多かった。1カ月以上たち、出入りして世話をしている農家を除き、畜舎内で餓死している家畜が大半とみられる。畜舎外に放たれた家畜も生息環境は厳しいうえ、放射性物質の汚染で今後の出荷は困難な可能性が高い。

 このため農水省は、この事態は原子力災害対策特別措置法に基づく指示で生じたとして、家畜の全額補償が適切と判断した。

 農水省は近く設定される予定の「計画的避難区域」や「緊急時避難準備区域」について、家畜を福島県外などに移動させる方針を決めている。だが受け入れ先の決定は困難とみられる。(大谷聡)

[2011年4月21日]・・・被災者向けの求人、官民で2万人分に
厚生労働省などでつくる被災者等就労支援・雇用創出推進会議(座長・小宮山洋子厚労副大臣)は21日、東日本大震災後に被災者向けに提供された求人数が同日までに約2万人分になったと発表した。自治体が臨時雇用したり、企業が優先的に採用すると表明したりした数をまとめた。

 国がリーマン・ショック後に導入した雇用創出基金を活用した求人は岩手、宮城、福島の3県を中心に計1万1200人を見込む。いずれも県や市町村の臨時職員などとして被災者を雇い入れ、簡単ながれきの撤去や避難所での高齢者の見守りなどをしてもらう。

 民間企業の求人は計約6400人分あった。うち東北3県の求人は1割弱で、大半は首都圏や関西など全国に散らばっている。ほかに農業や漁業関係の求人も計1200人分あった。

[2011年4月22日]・・・原発周辺、母乳調査へ 枝野官房長官が方針
枝野官房長官は21日の会見で、福島第一原発周辺に住む母親の母乳に放射性物質が含まれていないか調査する方針を示した。厚生労働省が今後、具体的な方法を検討する。

 市民団体が20日、千葉県と茨城県に住む女性4人の母乳から放射性ヨウ素が検出されたと発表。最高値は3月29、30日に採取した千葉県柏市の女性の母乳で1キロ当たり36ベクレルだった。

 母乳について国の基準はなく、飲料水の乳児の基準では放射性ヨウ素は100ベクレル。枝野官房長官は「水の基準値を大きく下回っているので、過度な心配をしなくても大丈夫な状況と判断している。母親にとっては心配だと思うので念のため一定の調査を行う」と述べた。


[2011年4月22日]・・・成田の旅客数29%減 外国人の減り幅最大 3月前年比
成田国際空港会社(NAA)が21日に発表した3月の空港の運用状況(速報値)によると、東日本大震災や原発事故の影響で、旅客数は前年同月比29%減の約217万5千人となった。とくに国際線の旅客約204万人のうち外国人は34%減の約49万人と、過去最大の落ち込み幅となった。

 空港では、震災直後に出国する外国人が急増した一方、入国する外国人は激減した。旅客数は、羽田空港の国際化以降、昨年11月から5カ月連続で前年同月を下回った。森中小三郎社長は「お客様が増える増えないは、地震よりも原発事故(次第)に移っているので、一刻も早い安全宣言が出るよう期待する」と述べた。

 貨物量も3月は同17%減の約16トンに落ち込み、5カ月連続の減少となった。給油量も、キャンセル便に加え航空会社が直行便を経由便に振り替えて経由地で給油するなどの動きがあったことから22%減の約32万キロリットルに落ち込んだ。


[2011年4月22日]・・・警戒区域、イネの作付け禁止 計画的避難・準備区域も
菅政権は、福島第一原発から半径20キロ圏内の「警戒区域」と、20キロ圏外の「計画的避難区域」、「緊急時避難準備区域」で、イネの作付けを禁止する方針を固めた。原子力災害対策特別措置法に基づき、菅直人首相が22日に指示する。

 政府は8日、土壌中の放射性セシウム濃度が土1キログラムあたり5千ベクレルを超える水田を作付け禁止とする基準を発表。農林水産省は当初、屋内退避などの指示が出ていた30キロ圏内に加えて、土壌調査でこの基準を超えた地域での作付けを禁じる方針を示していた。

 その後、政府が計画的避難区域や緊急時避難準備区域を新たに設定する方針を示したことを踏まえ、具体的な地域について福島県と協議を続けてきた。計画的避難区域に指定される予定の飯舘村はすでに、今年はすべての農作物の作付けをしない方針を決めている。

 農水省は今年の作付けを認める地域でも、秋に収穫したコメの汚染について調査し、食品衛生法に基づく暫定基準値(1キログラムあたり放射性セシウム500ベクレル)を超えるコメが流通しないようチェックする。


[2011年4月22日]・・・津波のスピードは115キロ デジカメ写真で判明 宮古
東日本大震災で岩手県宮古市を襲った津波の速度が、時速115キロに達していたとみられることが、岩手県立博物館の大石雅之首席専門学芸員の分析でわかった。

 大石さんは、植物研究者の大上幹彦さんが宮古市川代地区で撮影した約70枚のデジタルカメラの撮影データを調べた。地震発生後約23分で潮位が高くなり始め、その7分後にいったん波が引き、さらに2分後には激しい津波が押し寄せていた。

 この激しい波は、連続撮影の記録から、約800メートル離れた岬から岸まで約25秒で到達していたと割り出した。高速道路の制限速度よりも速い時速115キロにあたる。

 大石さんが震災後に現地を訪れたところ、家屋はほとんど流されていた。「第一波の後、自宅にものを取りに帰るなどした人たちが次の大きな津波で犠牲になったのかもしれない」と大石さんは話した。(松尾一郎)


[2011年4月22日]・・・「福島とチェルノブイリ、多くの共通点」 農水副大臣
チェルノブイリ原発事故から25年となるウクライナ・キエフで開かれている国際会議で21日、篠原孝・農林水産副大臣が福島第一原発事故について説明、「チェルノブイリと多くの共通点がある」と発言した。

 これまで日本政府は福島原発事故とチェルノブイリ事故との違いを強調するケースが多かっただけに、専門家らの関心を集めた。

 篠原氏は、事故の農業への影響などを発表する分科会に出席。会合の最後に発言を認められ、事故後の現況について話した。農作物への放射能被害については「東京電力や政府によって完全に補償される。この金額は高くつく」と説明。「原発は安い発電だとこれまで言われてきたが、こうした補償を考慮すると、最も高くつく」とも語った。

 別の分科会では、長崎大学の柴田義貞特任教授が、福島原発事故を引き起こした巨大津波について、専門家が発生の可能性を指摘していたのに、東京電力が十分な対策をとらなかったと説明。事故前から構造上の欠陥が指摘されていたチェルノブイリ原発の事故とは「専門家の警告が無視されたという点で、同じ原因を共有している」と述べた。

 また、福島の事故では住民の精神的ケアが最も重要になるとして「チェルノブイリの研究成果が非常に役立つ」とした。(キエフ=国末憲人、玉川透)
[PR]
by nsmrsts024 | 2012-05-29 05:50 | 朝日新聞・綜合、政治

5月28日(月)・・3.11東日本大震災と福島第一原発爆発事故から1年と2カ月

[セラピー犬、被災地に里帰り 殺処分前に救い出し訓練]
病院などで人に寄り添い心身をケアする国際セラピードッグ協会(東京都)の犬8匹が27、28の両日、福島県相馬市の仮設住宅や学校を訪れた。うち2匹は東日本大震災で飼い主とはぐれた被災犬。初めて故郷に里帰りした。

 2匹は推定3歳。メスの「きずな」は内陸の二本松市で、オスの「日の丸」は津波被害が激しかったいわき市久之浜で被災し、昨年秋、保健所に保護された。首輪はしていたが、飼い主は見つからないまま。昨年末、犬が殺処分されると地元の愛護団体から情報を得た協会が助け出した。ほかに8匹を保護した。

 2匹とも人なつっこくて、目が優しい。千葉県松戸市の訓練施設で半年間訓練を重ね、初めて故郷に訓練生として帰った。


[日本名入りサッカーボール見つかる 米アラスカ湾で再び]
米アラスカ湾のミドルトン島で、日本語の名前が書かれたサッカーボールがまた見つかった。「やまかわかずき」とペンで書かれており、東日本大震災の津波で流された可能性がある。

 アラスカ州カシロフに住む米連邦航空局(FAA)の技術者デビッド・バクスターさんの同僚が3日、海辺で見つけた。ボールは白と水色の2色で彩られ、「Japan Soccer」と印刷されている。

 この島では3月にはバクスターさんが、日本語の名前や寄せ書きが書かれたサッカーボールやバレーボールを発見。日本人の妻らが調べるうち、持ち主は東日本大震災で被災した男子高校生や女性会社員だとわかった。「この持ち主も元気でいることを願っている」とバクスターさんは話している。(アンカレジ=藤えりか)








千年に一度の巨大津波と66年後にまた起きた人間が発する核災害の記録
(東日本大震災と放射能人災からの1年間を顧みる)

[2011年4月21日]・・・枝野官房長官の会見全文〈21日午前〉
枝野幸男官房長官の21日午前の記者会見は次の通り。


 【冒頭】

 まず警戒区域の設定について申し上げる。東京電力福島第一原子力発電所から半径20キロメートル圏内の皆さんには大変なご迷惑とご不便をかけている。この地域においてはプラントもいまだ安定していない現時点においては、放射線量の多い少ないにかかわらず、安全上の大きなリスクが懸念されるため、決して立ち入らないで頂きたいと繰り返しお願いしてきた。今般、関係自治体との調整も整ったことから、この区域を災害対策基本法に基づく警戒区域に設定することとした。先ほど、原子力災害対策特別措置法に基づき、原子力災害対策本部長から福島県知事及び関係市町村長に対する指示を発出した。22日午前0時をもって警戒区域として設定される予定だ。これにより、緊急事態対応に従事される方や市町村長が一時的な立ち入りを認める場合を除き、当該区域への立ち入りが禁止されることとなる。この結果として、20キロ圏内にお住まいであった方の防犯上の懸念にも応えることになればと思っている。

 一方、一時立ち入りについて、着の身着のままで避難された住民から強い要望をいただいている。また、公益上の理由から立ち入る必要性の高い場合もある。こうしたことを踏まえ、その進め方について検討を進めてきたところだ。その結果、個別の家庭については、安全確保に万全を期すとともに、まずは希望する世帯を一巡するという観点から、次のような考え方で実施する。まず一世帯あたりの代表者1名に絞った上で、20キロメートル圏内への立ち入りはバスを利用し、集団で行動して頂く。安全上必要な装備をした上で立ち入り、帰る際にはスクリーニングを確実に実施する。持ち出し品は必要最小限のものとし、在宅時間は最大2時間程度と考えている。なお、立ち入りができなければ著しく公益を損なうことが見込まれる法人等、役場も含むが、個別に判断の上、立ち入りを認める。今後、この基本方針に基づいて、後ほど文部科学省から公表される予定の20キロメートル圏内のモニタリング結果を踏まえ、さらに、立ち入り直前にもモニタリングを実施するなどして安全の確保に万全を尽くし、具体的な実施手順について、関係自治体と調整しながら、早期に実施する予定だ。避難している皆さまには引き続き大変なご不便をかけるが、こうした手順で一時的な立ち入りが可能になるのでこれについてもう少し順番をお待ちをいただくようお願い申し上げる。

 次に東京電力福島第二原子力発電所に関する避難区域の見直しについて申し上げる。第二発電所については、冷温停止状態を維持している。しかし、冷却系統は2系統のうち1系統が依然として使用できない。非常用ディーゼル発電機についても修理中のものがあるなど完全には復旧していない。一方、現時点において、原子力緊急事態宣言を発令した3月12日時点と比較して、原子炉が冷温停止に至っているなど、重大事故が発生することによるリスクが相当程度低下してきている。このため、原子力安全委員会の意見も踏まえ、一定の安全対策が確保されていると判断されることから、先ほど、原子力災害対策特別措置法に基づき原子力災害対策本部長から福島県知事及び関係町長に対し、東京電力福島第二原子力発電所にかかる避難区域を第二発電所の半径10キロメートル圏内から半径8キロメートル圏内の区域に変更し、8キロメートル以遠の区域を避難区域から解除する旨の指示が出されたところだ。
【警戒区域】

 ――警戒区域を設定した上でどういう措置をとるのか、現在の避難地域と並行する形で出すのか。

 避難指示は避難指示として原子力災害対策特別措置法に基づいてそのまま継続するが、それに加えて災害対策基本法に基づく警戒区域とするということだ。具体的には警察等によって、従来20キロ圏内の主要道路の入り口には警察等で警備しているが、これが法に基づいて立ち入り禁止であるということを前提に対応してもらう。できるだけ警察においても、災害派遣で多くの都道府県警察から協力頂いている中だが、できるだけさらに態勢を強化したい。

 ――災害対策基本法は、警戒区域に設定し立ち入りを禁止できるという規定だが、改めて立ち入り禁止の指示は国として行うのか。

 当然立ち入り禁止区域にするために警戒区域にしたということだ。

 ――もし立ち入った場合の法的運用はどうなるのか。

 この間の避難指示の状況も同様だったが、まさに住民の皆さんの安全確保のための指示であり、警戒区域の設定だ。安全のためにそれぞれの皆さんにこれに従って頂きたいのがまず何よりだ。そうした中で何とか一度、自宅に戻りたいという要望について、何とか同時に一時立ち入りの基本方針を警戒区域の発出と同時に間に合わせることができたので、何とかこの手順に従って対応して頂きたいと強くお願いするのが第一だ。当然のことながら、そうした皆さん以外の方が入るのは法に基づいて厳しく対応したい。住民の皆さんについてはできるだけ法に基づいた行政的な措置等を採らないで済むように、住民の皆さんのご理解を頂きたい、というのが今日の時点で申し上げられることだ。


 ――地元への説明では3キロ圏内については一切の立ち入りを認めないということだがどうか。

 最終的にはこの後、午後ぐらいに発表されると思うが、文科省で20キロ圏内のモニタリングも進めている。そうしたことを踏まえて、線量の高いところ、そして原発のプラントの状況を見ながら不測の事態が生じた場合でも、安全確保できるのはどの範囲のどういうやり方か、ということで決めていくことになる。ただ、現状のプラントの状況を考えると一定のリスクがあるのは間違いないので、その場合にどれぐらいの時間で避難できるのか、あるいは万一、大量の放射性物質が出たときの影響等を考えたときには、まずは3キロ圏内を除くところについて対応させて頂くということにならざるを得ないのではないかと思っている。
――震災発生から1か月以上たっているが、立ち入り制限の判断が遅かったのではないか。

 これは両方の意見があると思う。もっと早く出すべきではなかったか、それから一方では住民の皆さんに対してはこうした最終的な強制力の担保のある手法まで必要なのか。ただ、この間、避難指示に基づいて避難をして頂くと、立ち入らないで頂きたいというお願いのところで大部分の皆さんはどなたも残してきた自宅のことが心配だという気持ちであろうと思うが、そうした中にもかかわらず、多くの皆さんにはそれを十分理解頂いて対応して頂いてきたと思っている。ただ残念ながら、若干十分な安全対策を取らず、なおかつ万一入っている途中に原発の状況が急激に悪化する等があったときに連絡が取れない状況で、独自に入られているという方が少なからず報告されているという状況の中では、気持ちは十分に分かるが、そこで万一のことがあってはいけないので、そうした状況を踏まえて、やむを得ずこういった措置を取った。


 ――地元から要望あってこういう検討をしたと思うが、政権内には当初から立ち入りを制限すべきだとか、立ち入る可能性があるとの発想はなかったのか。

 立ち入る方がいるかもしれないと、ただ警察にも入り口等いろいろ配備をしてもらっている中で、何とか強制力の担保のある手段ではない形でも理解を頂くことが、まずは無理に、しかも原発事故という住民の皆さんには直接かかわりのない事情で避難を頂いているわけなので、できるだけ状況を理解頂くなかで対応していくのが一義的原則ではないかという判断をしてきた。


 ――第二原発の避難区域を10キロから8キロに変えることで外れる自治体があれば教えて欲しい。8キロに変えたのは、第一原発の避難区域とかぶるからか。

 第一原発からの避難区域から外れる、重なってない地域が2キロ分ほどある。それよりもさらに狭くできるかのどうかということの判断はありうると思うが、しかし現実問題としては第一原発からの20キロの避難指示、警戒区域が出ているので、そこと重なっていない部分についてどう考えるか、という判断であれば必要十分であるということで、その判断をしたということだ。詳細の町名は改めて確認して報告する。


 ――一時立ち入りについて、自治体と協議しながらというが、いつぐらいから実施できそうか。

 政府としてはすぐにでも始めたい。住民の皆さんの気持ちに応えればという思いだが、警察、自衛隊の協力の準備、お願いする準備も進めているが、同時に地元の地理等あるいは集落の状況などを十分把握されている自治体の皆さんにも協力頂かないと、現実的に難しい。そのあたりを今回方針を明確にしたので、自治体の皆さん、そして避難されている皆さん、集落単位でとか、オペレーションを具体的に組んで頂くなかで実施される。ただ、公益に基づく役場とかについては、別途の手段で安全性を確保して進められる。こういったできるところから数日中には始めたい。


 ――一時立ち入りが全住民について完了するメドは。

 自治体の皆さんの協力を頂ける状況とか気象状況等、風向き等にもよるが、原発の状況が特段の悪化がなければ1カ月から2カ月程度の間には、希望される方を一巡したいと思う。


 ――今回は短時間で1世帯あたり一人ということだが、複数回の立ち入りは検討するのか。

 まずは希望されている方を一巡、立ち入って頂くということを最優先したい。その上で、いろんな希望があると思う。その一巡している間にその要望と安全状況、実際に立ち入って頂くことを積み重ねることによるオペレーションの積み重ねを踏まえながら、一巡後のことについても考えていきたい。

 ――罰則規定とも絡むが、今すでに残っている人がいるが、説得作業をどうするのか。継続して残っている人はそれなりに被爆している可能性もあるがどう対策をとるのか。

 まずは法律上もさらに厳しい形になったので、ということを説明しながら説得して理解を得ることにまずは全力をあげたい。警察の皆さん等に全力を挙げて頂くことになる。それからそこに1カ月余りいたということの被曝量については、周辺地域の放射線量、今回20キロ圏内もやっているので、それも踏まえ一定の推定ができる。それを前提にもし必要があるような線量を受けている可能性があれば、当然医療関係の対応をお願いすることになる。


 ――警戒区域の範囲内の人口と3キロ除いた場合の一時立ち入りの対象人口は。

 実務的にもし必要であれば張り出し等で報告する。


 ――一時立ち入りの具体的方法だが、どういう人が付き添い、どういう安全確保策をとるのか。

 装備品等は当然国において手配して対応する。立ち入りをするにあたっての車等は手配は国でしっかり対応したい。その中で地元の地理的事情について一定の認識がないといけないので、どの程度自治体の皆さんに協力が得られるのかの個別の自治体ごとにつめていくことになる。


 【計画的避難区域】

 ――計画的避難区域、緊急準備避難区域についての発表はいつぐらいがメドか。これが遅れている理由は。

 できるだけ地元の皆さんの要望に安全性を損なわない範囲で応えるというオペレーションを努力している状況にある。方針を発表してから時間もたっているので、できるだけ早くというのは、かなり切迫している状況だと思っている。


 【原発事故の賠償】

 ――先ほど総理と福島知事が会談。知事から原発の損害賠償について「国にしっかりと対応して欲しい」と要請があった。国の対応をどう考えているか。

 当然のことながら、まず損害賠償はしっかりと被害を受けた皆さんに支払われることが重要だ。それについては東京電力同様、国もしっかり責任を持っている。東電と国との関係という意味のなかでは東電が一義的に責任を持っているが、国としてもしっかりと被害者の皆さんに補償がなされるよう責任をもって進めたい。


 ――政府内には東京電力の支払額に上限をもうけるべきだとの声もあるが、事実上、国費を投入して東電の経営を支える格好になると思うが、国費を投入することの考え方は、どうやるべきだと思うか。

 途中のプロセスにおいては東電がしっかりと補償して、なおかつ電力供給という責任を果たしていくことを支えていくために、国がしっかり支援しないといけない側面がある。最終的には、しかし、東電においてやはり一義的なところの負担はお願いをすることになるだろう。

【レベル7引き上げ】

 ――レベル7引き上げの後、長官が周辺に対し「オモテでは言えないが、かなり早い段階でレベル7の事故とわかっていた」と語ったと、つまり政府が隠してたという一部報道があるが、事実関係は。

 何度も申し上げているが、京ベクレル単位の放射性物質が放出されている可能性があるということは、これはシミュレーションSPEEDIの発表の時、一緒にそういったこともくっついていたと思うし、その認識はあったが、それは可能性であって決して蓋然性が確からしいものではないということを言ってきた。私自身もそう認識してきた。ましてやそれがレベルいくつに相当するとかの話については、その時点で全くなく、レベル7に相当するという可能性が高い、ということは発表の前日に認識したものだ。従って、おたずねの週刊誌の報道については全く事実無根であるし、なおかつ当該週刊誌サイドから私に対する取材も一切なく、あたかもそれが真実であるかのような報道が一方的になされたものだと思っている。私自身は、私個人の信用名誉にかかわることであれば、まあ週刊誌の報道いろいろとすべて事実と違うことについて対応していたらたまらないくらい色々あるので、基本的には直接の対応をしない線でやってきたが、今回は私の信用名誉にとどまるのであれば構わないが、原発事故に関する政府の発表内容に不信をいたずらにあおるものであるし、結果的に多くの国民のみなさんに事実に基づかない内容で大きな不安をかき立てるものだと思っている。従って代理人を通じて文芸春秋社に対し、事実に反することを公にし、以後誤った報道をしないよう文書によって強く求めたところだ。


[2011年4月21日]・・・海に流れた汚染水、4700兆ベクレル 低濃度の3万倍
東京電力は21日、福島第一原発2号機の取水口付近から、1日から6日までに海へ流出した高濃度汚染水に含まれていた放射能の総量を4700兆ベクレルとする推定値を発表した。4~10日にかけて意図的に海へ放出した低濃度汚染水は1500億ベクレル。この約3万倍の放射能が海に垂れ流されていたことになる。

 今回の総量は国の基準で定められた年間放出量の約2万倍に相当する。海の汚染は3月下旬から原発周辺の広い範囲で確認されていた。しかし、汚染ルートはこれまでよくわかっていなかった。今回の結果から、2号機の高濃度汚染水が大きく影響している可能性が高いとみられる。

 高濃度汚染水は4月2日朝、2号機取水口付近のコンクリートの裂け目から漏れているのが見つかった。止水剤などを地下に注入して水が止まった6日朝まで流出は続いた。

 東電は前日の1日から流出が始まったと仮定。裂け目の大きさや流出した水の勢いなどから流量を見積もり、総量を520トンと推定した。意図的に放出した低濃度汚染水の総量は計約1万トンだった。

 東電は3月21日から原発近くの海水の放射能濃度を測定。放射性ヨウ素の濃度は、25日に前日の10倍以上に急増し、タービン建屋地下などで見つかった汚染水の海への流出が疑われていた。東電は「4月1日以前の汚染は、大気中に放出された放射性物質が海に落ちたか、土壌から雨で流れたためではないか」と説明していたが、高濃度汚染水が何らかのルートで1日以前から漏れ始めていた可能性もある。


[2011年4月21日]・・・両陛下、22日に北茨城市訪問 被災地入りは2回目
宮内庁は21日、天皇、皇后両陛下が東日本大震災で被害を受けた茨城県北茨城市を22日に訪問すると発表した。両陛下の被災地の訪問は14日の千葉県旭市に次いで2回目。この後、大型連休の前後には東北の被災地を訪問する予定だ。

 北茨城市は、津波の被害も大きく、5人が死亡し、1人が行方不明になっている。また、福島第一原発事故の影響で同市沖のイカナゴの稚魚(コウナゴ)から基準を超える放射性物質が検出され、漁業に風評被害も出ている。

 両陛下は、避難所として使われている体育館で被災者を見舞うほか、津波の被害を受けた漁港などにも視察に訪れる。


[2011年4月21日]・・・原発20キロ圏、22日から警戒区域 立ち入りに罰則も
枝野幸男官房長官は21日午前の記者会見で、22日午前0時から福島第一原発の半径20キロ圏内を災害対策基本法に基づく「警戒区域」に設定し、原則として立ち入りを禁じると発表した。圏内の住民の「一時帰宅」については「数日中に始めたい」とした。

 これに先立ち、菅直人首相は21日午前、福島市を訪れ、福島県庁で佐藤雄平知事と会談。知事は「警戒区域や避難区域の話は地元首長や住民の了解を得ることが前提だ」と要請し、首相は「地元のみなさんの話を最優先にする」と応じたという。首相は20キロ圏外の一部地域を指定する方向で調整している計画的避難区域について「(詳細な)地域は明日発表する」と伝えた。佐藤知事が会談後、記者団に明らかにした。

 警戒区域は災害対策基本法が定める措置で、これまで20キロ圏内を対象にとってきた原子力災害対策特別措置法に基づく「避難指示」よりも強制力が強い。退去を拒んだ場合は罰金や拘留が科せられる可能性がある。枝野氏は会見で「(住民以外の立ち入りは)法に基づいて厳しく対応したい。住民には法に基づいた措置をとらないで済むよう理解いただきたい」と述べた。

 一時帰宅は、1世帯あたり代表者1人をバスなどを使って集団で実施し、在宅時間は最大2時間程度。希望する全世帯を「1、2カ月で一巡したい」(枝野氏)としている。ただ、放射線量が多いとみられる半径3キロ圏内について枝野氏は「一定のリスクがあることは間違いない」として、一時帰宅は認めない。

 一方、枝野氏は原子炉が冷温停止した福島第二原発について「重大事故が発生するリスクが相当程度低下してきている」として、避難指示区域の縮小を表明。現在の10キロから8キロに変更する。これにより、第二原発の避難指示区域が第一の20キロ圏内にすべて収まることになる。

 首相が東日本大震災の被災地を視察するのは4度目で、福島県は3度目。首相は佐藤知事との会談後、大熊町が避難している田村市内と、富岡町、川内村の避難先になっている郡山市内の避難所を訪れ、被災自治体の首長や住民から直接話を聞く予定。
[PR]
by nsmrsts024 | 2012-05-28 07:03 | 朝日新聞・綜合、政治

5月27日(日)・・3.11東日本大震災と福島第一原発爆発事故から1年と2カ月

[廃炉作業阻むがれき 福島4号機・建屋内部を初公開]
政府と東京電力は26日、爆発した福島第一原発4号機の原子炉建屋内部を報道陣に公開した。原子炉建屋内部の公開は事故後初めて。廃炉に向けた作業が最も進む4号機だが、依然としてがれきが建屋内に大量に残り、困難を極めている。余震による再事故の危険性も抱えている。

 事故を起こした1~4号機のうち、4号機は地震発生時に検査で止まっていた。燃料はすべて使用済み燃料プールに収められていた。燃料の数は同じ大きさの原子炉3基分の1535体に上る。東電は燃料を来年12月に取り出し始め、2年かけて近くの共用プールに移す。しかし、がれき撤去は昨秋から始めたが、6割ほどしか進んでいない。

 東電は東日本大震災と同じ程度の揺れに襲われても、4号機の原子炉建屋は耐えられると評価。昨年7月には念のため、プールの下階に鉄骨の支柱とコンクリートで補強工事をした。仮にプールの冷却装置が壊れて燃料が冷やせなくなっても、燃料がプール水面から露出するまでには2、3週間の余裕があるという。


[子どもや妊婦、医療費減免へ 「一定の線量以上」地域]
東京電力福島第一原発事故で被災した子どもや妊婦の医療費を減免する「被災者生活支援推進法案」(仮称)が、今国会で成立する見通しになった。福島県が今年秋に始める18歳以下の医療費無料化に妊婦の負担減免策も加え、政府に財政支援を義務づける。

 対象は「一定の放射線量以上」の地域内に住む18歳以下の子どもや妊婦で、「被曝(ひばく)に起因しない負傷または疾病」は除かれる。政府はぜんそくや胃潰瘍(かいよう)のほか心的外傷後ストレス障害(PTSD)など精神的疾患も対象として認める考えだ。基準となる放射線量や、妊婦の減免割合などは今後詰める。

 低線量被曝による健康への影響は明らかでないため、発病と放射能との因果関係の立証責任を軽減し、被災者を幅広く救済する狙いがある。







千年に一度の巨大津波と66年後にまた起きた人間が発する核災害の記録
(東日本大震災と放射能人災からの1年間を顧みる)

[2011年4月19日]・・・死因の92%は水死 被災3県の検視結果
警察庁は19日、東日本大震災で、岩手、宮城、福島の3県で4月11日までに確認された死亡者1万3135人の検視結果を発表した。死因は水死が1万2143人と92.4%を占め、津波の被害の大きさが改めて確認された。性別では男性が45.5%、女性が53.6%。年齢層では、60歳以上が65.2%を占めた。  水死を県別にみると、比率が最も高いのが宮城の95.7%。岩手は87.3%、福島は87.0%だった。

 水死以外では、倒壊家屋の下敷きになるなどの圧死や窒息死、多発性外傷死などが3県合計で4.4%。ただ、この中にも津波による死者が含まれるとみられる。焼死は1.1%だった。阪神大震災では、死因は家屋の倒壊による窒息・圧死が7割以上を占めていた。

 死亡者のうち身元が確認できたのは8割強で、年齢層別でみると70代が最も多く24.0%。次いで、80歳以上(22.1%)▽60代(19.1%)▽50代(11.9%)。岩手、宮城、福島の海岸沿いの自治体では、震災による高齢者の死亡者の比率は、人口比の1.5~2倍ほどになっているという。警察庁は「高齢者は、発生当時の午後の時間帯に自宅にいた人が多く、津波から逃げ遅れたのではないか」とみている。



[2011年4月20日]・・・最愛の人、39日たって対面 原発10キロ圏内で発見
福島県警が福島第一原発から半径10キロ圏内で行方不明者の捜索を開始して20日で1週間になる。原発の事故直後に政府が避難指示を出して以降、捜索ができていなかった区域。いま、遺体が見つかり始めている。

 19日、福島県相馬市沖ノ内1丁目の遺体安置所。同県浪江町請戸の漁師須田直一さん(65)の棺(ひつぎ)の上には、たばこやおにぎりが置かれていた。「会えて良かった」。須田さんと6年間一緒に過ごした大内巳代子さん(60)は、変わり果てた姿をみて静かに涙を流した。  「原発の事故がなければすぐに救助に入れたのに……。助かったかもしれないよね」と大内さんは言う。浪江町の沿岸部は大津波で壊滅的被害を受けた。津波の後、須田さんと連絡が取れなくなった。自宅近くで須田さんが津波に流されたと知り合いから聞いた。だが、避難指示圏内で自ら捜しに行くことはできず、警察や自衛隊も1カ月以上、捜索に入れなかった。避難所生活をしながら、もどかしさが募った。

 今月14日、県警の捜索がようやく始まると、請戸地区周辺で身元不明の遺体が次々と見つかった。遺留品の写真は同県二本松市の小学校体育館に掲示されることになった。18日、大内さんがずらりと並ぶ写真を眺めると、見慣れた革製の犬の形をしたキーホルダーが目に飛び込んできた。軽トラックのキーをなくさないよう、須田さんにプレゼントしたものだった。

 「キーホルダーが私たちを引き合わせてくれた。一番幸せな時間を一緒に過ごした人。見つけてあげることができてよかった」。再会まで39日がたっていた。

 まだ大切な人が見つかっていない人もいる。浪江町の栃本勝雄さん(66)は、消防団で避難する人を誘導していて津波にのみ込まれたとみられるいとこの次男、橋本信之さん(37)を捜しているが、手がかりを得られずにいる。
19日には、橋本さんの母親とみられる女性の遺体が安置所で見つかった。栃本さんはつぶやく。「原発がなければ助かった命があったかもしれない。本当に悔しい」(田内康介)


[2011年4月20日]・・・世界の世論「原発反対」増加 9割が東日本大震災認識
東日本大震災による福島第一原発事故を受け、世論調査機関が世界47カ国・地域で調べた結果、原発賛成が震災前の57%から49%に減る一方で、原発反対は32%から43%に増えた。

 各国の世論調査機関が加盟する「WIN―ギャラップ・インターナショナル」(本部=スイス・チューリヒ)が、3月21日から4月10日までアジアや欧州、北南米、アフリカなどの3万4千人を対象に調べた。

 91%が日本での震災を知っており、81%が福島での放射能漏れについて聞いたことがあると回答。18%が「日々インターネットで情報収集している」とした。

 原発がある31カ国を国別に見ると、日本では原発反対が28%から47%に増え、原発賛成は62%から39%に激減。カナダやオランダなど3カ国とともに、反対と賛成が逆転した。中国やインド、ロシアは原発賛成が多数派だが、いずれも賛成が10%以上減った。震災前にすでに原発反対が賛成を上回っていたベルギーやドイツ、スイス、ブラジルでは、その差がさらに広がった。

 日本の経済復興については、48%が震災前と同じかさらに成長すると答え、38%は震災前のレベルに戻れないと答えた。(ジュネーブ=前川浩之)


[2011年4月21日]・・・放射線量、平常値以上は4県 雨の影響、安全委「注視」
文部科学省は20日、大気中の放射線量の調査結果を発表した。各地で前日に降雨の影響で一時上昇したが、再び、低下傾向になった。栃木、埼玉、東京が平常値の範囲内になり、平常値を超えるのは、宮城、福島、茨城、千葉の4県になった。

 福島第一原発から北西約30キロ地点では、浪江町赤宇木で毎時21.3マイクロシーベルト(前日は21.8)とやや下がったが、飯舘村長泥では16.3マイクロシーベルト(同9.6)、浪江町下津島で11.5マイクロシーベルト(同9.4)と上がった。

 原子力安全委員会の久木田豊委員長代理は20日の会見で「昨日、福島県を含めた地域でかなりの降雨があったので、その結果が今後のデータにどう影響するのか注視したい」と述べた。


[2011年4月21日]・・・イタリア、原発再開を無期限凍結 反原発ムードに機先
イタリア政府は19日、旧ソ連・チェルノブイリ原発事故以来全面閉鎖してきた原子力発電所に関するすべての再開計画を事実上、無期限に凍結する方針を決めた。3月下旬には1年間凍結したが、棚上げ方針を強く打ち出すことで、福島第一原発の事故で高まる反原発ムードの機先を制する狙いがある。

 イタリアメディアによると、政府は「原発の安全性に関する新しい技術や国際的議論の成り行きを見極めてから原発戦略を決める」などとする原発関連法改正案をイタリア上院に提出した。ただし今後、こうした条件付けをやめることで計画凍結を解除する法改正も可能とみられており、全面的な再開断念ではない。

 今年6月、原発再開の是非を問う国民投票と、少女買春事件などを抱えるベルルスコーニ首相の裁判不出廷特権に関する国民投票が同時に行われる。原発論議を封じて投票率を50%未満とし、不成立に持ち込む思惑もあるとみられる。

 与党が多数を握る上院は20日にも計画凍結の法改正案を可決する方針で、政府は原発に関する国民投票そのものの中止も視野に入れている。野党側は「凍結であって断念ではない」と実施を求めているが、将来の原発再開の余地を残したい政府側は、反原発ムードの中で国民の意思がはっきりしてしまう国民投票を避けたいとみられている。(前川浩之)


[2011年4月21日]・・・燃料棒の一部溶融、東電が認める 福島第一1~3号機
東京電力は20日、福島第一原発1~3号機の原子炉内の燃料棒が一部溶融していると認めた。これまで燃料の損傷は認めていたが、溶融については「判断材料を持ち合わせていない」として、認めてこなかった。  東電はこの日、1~3号機のタービン建屋地下などで3月30日までに採取した汚染水の成分分析のやり直し結果を発表。燃料が溶融しないと放出されない物質が高濃度で含まれていた。

 1~3号機は燃料溶融の可能性が指摘されていたが、東電や経済産業省原子力安全・保安院は燃料棒の「損傷」とだけ認めていた。保安院は今月18日、ようやく1~3号機で燃料を焼き固めたペレットが溶けて崩れているとの見解を原子力安全委員会に報告した。

 東電原子力・立地本部の松本純一本部長代理は保安院の見解を認めたうえで、「燃料の一部が溶けてむき出しになっているところはあると思う。だが、炉心がどろどろに溶けて底部にたまっている状態までは確認できていない」と話した。
[PR]
by nsmrsts024 | 2012-05-27 05:33 | 朝日新聞・綜合、政治

5月26日(土)・・3.11東日本大震災と福島第一原発爆発事故から1年と2カ月

[探査船「ちきゅう」、震災震源の地層を回収]
地球深部探査船「ちきゅう」を使い、東日本大震災を起こした震源域の海底のボーリング調査をしていた海洋研究開発機構は25日、調査航海を終えたと発表した。宮城県の220キロ沖で、地震が起きた場所と見られる太平洋プレートと北米プレートの境界の地層を回収できたという。

 宮城沖の水深約6900メートルで約850メートルまで掘削することに成功したという。今後、回収した地層に含まれる岩石の分析と、プレート境界の滑りやすさなどを調べ、巨大地震が起きたメカニズムを探る。プレート境界で地震後に発生した摩擦熱を調べる温度計の設置は、悪天候や水中カメラの故障などで断念し、今夏に再び挑戦するという。


[震災が原因の労災死1314人 震災死者の1割占める]
厚生労働省は25日、2011年に労働災害で死亡し、労災認定されるなどした人は2338人で、うち1314人は東日本大震災が直接の原因だったと発表した。大震災による死者全体の1割近くにあたる。震災以外が原因だったのは前年から171人減の1024人で、過去最少だった。

 労働災害は、雇われている人が業務や作業が原因で死傷したケースを指し、自営業者などは含まれない。震災を直接の原因として死亡した人を地域別にみると、宮城が821人、岩手が401人、福島が72人で、3県で計98.5%を占めた。7割は津波に巻き込まれて亡くなったという。

 震災が原因で4日以上の休業が必要なけがをした人は、1513人だった。これらとは別に、復旧・復興作業では建設業を中心に27人が亡くなり、455人がけがを負った。







千年に一度の巨大津波と66年後にまた起きた人間が発する核災害の記録
(東日本大震災と放射能人災からの1年間を顧みる)

[2011年4月19日]・・・計画的避難区域、牛も集団避難へ 農水省、全国に打診
農林水産省は19日、政府が近く指定する予定の「計画的避難区域」内で飼育されている牛を区域外に移す方針を固めた。福島県が同区域内の牛を移したいとの意向を示しているため、県と協力して近く移送を始める考えだ。

 農水省によると、計画的避難区域の対象になる予定の福島県葛尾村、浪江町、飯舘村などには約2万頭の肉用牛や乳用牛がいるとみられる。福島県内ではこれらの牛をすべて受け入れきれないとみて、全国の都道府県に受け入れられるかどうかを打診し始めた。これまでに、栃木県が日光市と塩谷町にある計3カ所の県営牧場で、肉牛と子牛最大150頭を引き取る意向を示している。

 移動は、近く政府が指定する計画的避難区域と、福島第一原発から半径20~30キロ圏内にある緊急時避難準備区域で飼われている牛が対象となる。緊急時避難準備区域では牛の世話を続けられる可能性があるため、まずは計画的避難区域を優先する。

 移動させる牛は、放射線量を測定する全頭検査をする。一定の基準値を設け、それを下回った牛だけを移送する方針だ。基準値を上回った場合は、牛の体に付着した放射性物質を洗い落とすなどしてから再検査し、基準値を下回れば、移送対象に含める。

 牛の移動は、計画的避難区域などが指定されてから住民の移動が完了するまでの間に終わらせる。移動させてまで飼うのが難しい場合などで生産者が希望すれば、殺処分も検討する。

 放射線量の検査結果や移動の状況などは1頭ずつ台帳で管理する。移動の受け入れ先には、牛の健康状態などの履歴を記録しておくよう要請するという。(大津智義)



[2011年4月19日]・・福島競馬は中止 震災でスタンド壊れ JRA
日本中央競馬会は19日、夏季に予定していた福島競馬(6月18日~7月10日)を中止すると発表した。東日本大震災でスタンドの一部が壊れ、復旧の見通しが立たないため。


[2011年4月19日]・・・「菅内閣は国民救えぬ」 小沢氏系中堅議員、倒閣で一致
民主党の小沢一郎元代表直系の中堅衆院議員約40人でつくる「一新会」は19日の定例会合で「菅内閣では国や国民が救えない」として倒閣を目指すことを確認した。小沢氏は16日のインターネットの番組で「民主党政権がうんぬんのレベルではない。政治家としてどうすべきか、考えなきゃならない時期だ」と述べ、菅直人首相を退陣に追い込む姿勢を鮮明にしていた。


[2011年4月19日]・・・「原発事故、回避できた可能性」世界の専門家16人声明
福島第一原発の事故をめぐり、国際的な原子力安全の専門家16人が国際原子力機関(IAEA)に再発防止に向けて声明文を提出した。事故について「比較的コストのかからない改善をしていれば、完全に回避できた可能性がある」と指摘している。日本原子力産業協会が19日、翻訳してウェブサイトに掲載した。

 声明では、福島第一原発の安全対策について「確率の低い事象が重なることに対する考慮が十分でなかった」と指摘。拘束力や強制検査権のある国際規制機関の創設も提案している。  16人はロ、印、スウェーデンなど11カ国の専門家。米国スリーマイル島原発事故(1979年)の対応に当たったハロルド・デントン元米原子力規制委員会原子炉規制局長や、仏電力公社の元原子力安全監察総監、チェルノブイリ原発の元主任技師ら。
[PR]
by nsmrsts024 | 2012-05-26 06:27 | 朝日新聞・綜合、政治

5月25日(金)・・3.11東日本大震災と福島第一原発爆発事故から1年と2カ月

[震災復興交付金、申請の1.5倍に 第2回配分額決定]
平野達男復興相は25日の閣議後の記者会見で、東日本大震災の復興交付金(事業費ベースで1兆9千億円)の第2回配分額を発表した。前回の配分は申請額の6割程度だったが、今回は総額は約3166億円で、申請額約2139億円の1.5倍となった。

 交付金の対象は、宮城県に約1704億円、岩手県に約981億円、福島県に約371億円など8県71市町村。主な事業は、高台移転に絡んだ防災集団移転促進(約1288億円)や災害公営住宅整備(約417億円)のほか、水産・漁港関連施設整備(約153億円)など。

 申請額を大きく上回ったのは、防災集団移転などで2012年度分だけだった申請を、13年度も認めるなどしたためだ。申請額を下回った今年3月の第1回配分では、被災自治体から「復興庁ではなく査定庁だ」(村井嘉浩・宮城県知事)との批判が出ていた。


[福島汚染、主因は2号機 東電発表 3号機も大量放出]東京電力は24日、福島第一原発事故で大気に放出された放射性物質の総量を90京(けい)ベクレル(京は兆の1万倍)とする試算結果を発表した。2号機からが最も多く、昨年3月15日、主に2号機からの放出で原発の北西地域が激しく汚染されたとする説を裏付けた。16日にも海の方角へ大量放出があったらしいこともわかった。東電は「3号機から」としているが、詳しくは不明だ。

 東電は、昨年3月12日~31日の期間の大気への放出量を評価。90京ベクレルは、経済産業省原子力安全・保安院が昨年6月に示した77京ベクレルの約1.2倍。旧ソ連チェルノブイリ原発事故での放出量の約17%にあたる。

 1~3号機からの放出量の内訳は、1号機13京ベクレル、2号機36京ベクレル、3号機32京ベクレル。発電所周辺の空間放射線量の値などをもとに割り出した。放出源が判明しないものも11京ベクレルあった。定期検査中だった4号機からの放出はない、とした。

[飯舘村の除染計画、1660世帯が対象 環境省]
環境省は24日、東京電力福島第一原発事故で計画的避難区域になっている福島県飯舘村の除染実施計画を決め、発表した。年間の積算放射線量が50ミリシーベルトを超える長泥(ながどろ)地区を除く約1660世帯の計約4850ヘクタール分が対象。夏ごろの除染開始を目指し、今年度中に4割分を実施する予定。村の西側から東側に向かって除染を進め、2014年3月までに終える計画だ。

 避難指示が出た同県の11市町村の「除染特別地域」は国が直轄で除染を行う。計画の策定は田村市、楢葉町、川内村、南相馬市に続き5番目。







千年に一度の巨大津波と66年後にまた起きた人間が発する核災害の記録
(東日本大震災と放射能人災からの1年間を顧みる)

[2011年4月18日]・・・津波の被災地、建築禁止 岩手県沿岸12市町村
岩手県は、東日本大震災の津波で浸水した沿岸12市町村の約58平方キロ(東京ドーム約1240個分)で、住宅などの建築を禁止する方針を決めた。18日に12市町村に、建築基準法の「災害危険区域」に指定する条例を制定するよう求める。
 禁止期間は防潮堤の再建などで住民の安全が確保されるまでで、「短くても年単位になる」としている。

 県は、原則として浸水した全域を災害危険区域に指定した上で、地域の実情に合わせて区域を広げるよう求める方針だ。この区域では土地所有者の私権が厳しく制限されるが、若林治男・県土整備部長は取材に対し、「被災者の安全を守り、無秩序な建築を防ぐための措置」と説明した。

 市街地が壊滅的な被害を受けた同県陸前高田市などでは、がれきの撤去が進むにつれ、自宅跡にプレハブ住宅を建てる住民も出始めていた。災害危険区域に指定されると住宅などの建設はできなくなり、行政の復旧・復興計画がスムーズに進められる利点がある。

 今回の震災を受け、宮城県も同法を適用し、気仙沼市など3市2町で2カ月限定(5月11日まで)の建築制限をかけた。ただ、災害危険区域への指定にはいたらない応急的な措置だった。

 岩手県は「2カ月で復興の青写真をつくるのは無理」(若林部長)と判断したという。具体的な禁止期間は各市町村に判断を委ねるが、防災施設の整備や防潮堤の再建までを念頭に、長期間になると想定している。

 大規模災害後の災害危険区域の指定は、1993年の北海道南西沖地震で津波被害に遭った奥尻町や、2004年の新潟県中越地震で被災した同県旧川口町(現長岡市)の例がある。いずれも指定面積は小さく、住民の強制的な集団移転が目的だった。(山西厚、森本未紀)


[2011年4月18日]・・・内閣の震災対応「評価しない」60% 朝日新聞世論調査
朝日新聞社の全国定例世論調査(電話)によると、東日本大震災への菅内閣の対応を「評価する」と答えた人は22%にとどまり、「評価しない」が60%に上った。福島第一原発事故への対応に限ると「評価する」16%、「評価しない」67%となり、さらに厳しい視線が注がれている。

世論調査―質問と回答〈4月16、17日実施〉
 原発事故についての政府の情報提供が「適切だ」は16%で、「適切ではない」が73%に達している。対応への低い評価の背景の一つになっているようだ。

 一方、民主党と自民党の大連立政権に対しては「賛成」43%、「反対」37%と比較的接近した。「賛成」が民主支持層では55%だったのに比べ、自民支持層では35%にとどまり、それぞれの党の事情を反映する形になった。

 菅内閣の支持率は21%(前回2月19、20日は20%)、不支持率は60%(同62%)でともにほぼ横ばいだった。菅首相の進退については「早くやめてほしい」43%(同49%)が「続けてほしい」36%(同30%)を上回っているが、前回に比べると続投支持が少し増えている。

 「仮にいま衆院選の投票をするとしたら」として聞いた比例区の投票先は、民主18%(同19%)、自民30%(同25%)などで、民主の低迷が続いている。昨年12月調査で逆転された自民との差はさらに広がった。政党支持率は民主17%(同19%)、自民19%(同18%)などだった。


[2011年4月18日]・・・停電が命の危機に直結 被災地の在宅重度障害者
東日本大震災の余震が続く中、被災地には、停電が命の危機に直結する重度の在宅障害者がいる。避難所での集団生活は難しく、電動のたん吸引器や人工呼吸器が必要な人たちだ。自動車からの電源でしのいだり、緊急入院を余儀なくされたり……。家族や周囲の懸命な介護で乗り切ろうとしている。

 岩手県釜石市甲子町の菊池裕子さん(27)は生後10カ月で過って風呂の残り湯に落ち、脳障害から体が不自由になった。居間のベッドに寝たきり状態で、母の紀子さん(61)がつきっきりで介護してきた。

 流動食の食事や薬を1日3回、鼻から管を通して送り込む。むせてせき込むなど体がこわばる兆候が出るたびに、電動吸引器でたんを吸い出さないと、すぐに呼吸困難になる。

 あの日、大きな揺れで棚のものが次々と落ち、裕子さんはパニック状態に。紀子さんはとっさに裕子さんの上に覆いかぶさり、抱きしめて守った。父の俊二さん(63)は日課のウオーキングで外出していた。急いで帰宅すると、裕子さんはおだやかな顔に戻った。

 しかし、地震と同時に停電。裕子さんの呼吸を見ると、たん吸引の必要が迫っていた。俊二さんは機転を利かせ、玄関前の乗用車のエンジンをかけてシガーソケットから電源を取り、延長コードで吸引器につなぎ、ことなきを得た。

 停電は続いた。残っていたガソリンは3分の1程度。「電気が戻るか、ガソリンがなくなるのが先か」と案じる日々が続いた。窮状を知った親族がガソリンスタンドに並び、今日は3リットル、次の日は10リットルと届けてくれた。

 暗闇の中、ろうそくと懐中電灯で流動食の準備と注入、たん吸引をする夜は6日間続いた。地震から6日目の16日午後5時50分、電気が戻ったときは家族3人、拍手で喜んだ。
大きな余震がくると裕子さんは取り乱して泣き出すこともあるが、紀子さんは「支えてくれる人がいっぱいいて、ここまでこられた。この子の笑顔は私たちを救ってくれています」と話す。

     ◇

 岩手県陸前高田市立高田第一中学校3年の菅野優希君(14)は脊髄(せきずい)性筋萎縮症。2歳のときに発症した。

 家でも学校でも特注の車イスで元気に走り回るが、筋肉が日々衰えていて、集団生活での寝起きは困難だ。体力が弱く、風邪などもひきやすい。夜は、呼吸困難になるために人工呼吸器を装着する。

 地震初日、優希君は同級生らと体育館に避難。市内はほぼ全域が停電だったため、担任教諭らが救急隊員に事情を説明し、かかりつけでもある県立大船渡病院に緊急入院した。

 今も停電が続く家には戻れず、母の光子さん(37)は自閉症児の弟、小学6年生の星樹(としき)君(11)を連れて毎晩、同じ病室の床に泊まり込んでいる。余震があると興奮気味の星樹君も手足の不自由な兄にご飯を食べさせ、おむつを換え、お風呂で体を洗ってあげる。

 停電の自宅では、夫の雅人さん(47)と義父母が待つが、避難所にいないため支援物資の配給もないし、風呂にも入れない。在宅障害児が帰宅できるめどはない。

 岩手県重症心身障害児(者)を守る会(平野功会長)によると、県内の被災地沿岸部にはこうした在宅重症者は25人、病院や施設に入っている人たちは約80人いるという。(本田雅和)

 
[2011年4月18日]・・・東電社長、国会集中審議で陳謝 首相「原発政策を検証」
東日本大震災をテーマにした参院予算委員会の集中審議が18日開かれた。東京電力の清水正孝社長が政府参考人として初めて出席。福島第一原発の事故について「放射性物質を外部に放出させる重大な事故で、大変なご迷惑とご心配をおかけしていることを改めて心からおわびしたい」と陳謝した。
 清水社長は一方で、東電の事故対応については「福島第一原発と連携を密にして復旧に全力をあげてきた。高い緊張感を持って対処した」と理解を求めた。

 菅直人首相は原子力政策のあり方について「安全性を大事にしながら原発を肯定してきたが、従来の先入観を一度白紙に戻し、なぜ事故が起きたのか根本から検証する必要がある」と語った。さらに「核燃料サイクルの問題を含め、必ずしもしっかりした体制がとれていない中で、使用済み燃料が(原発内に)保管されていたことも検証しなければいけない」と述べた。

 首相は東電が17日に示した事故収束への工程表については「どういう形で住民が従来の所に戻ることが可能になるか(一定の段階で)方向性が出せる報告書になっている。政府も全力を挙げて東電の作業に協力し、国の力でやれることはやっていく」と述べた。

 政権の震災対応については「すべて100%とは言えないが、政府が一丸となって取り組んできた。初動が不十分だという指摘はあたっていない。ほかの場合に比べても十分な対応ができている」と語った。


[2011年4月18日]・・・岩手の仮設住宅、7月末に完成へ 高台などに1万8千戸
岩手県は18日、建設を進めている1万8千戸の仮設住宅について、7月末までに完成させる方針を明らかにした。課題だった高台の建設用地の確保が進むなどし、予定より2カ月前倒しできそうだという。

 県建築住宅課によると、被災した沿岸12市町村は学校や公園などのほか民有地からも選定を進め、これまでに約1万2千戸分の用地を確保できたという。18日までに3748戸が着工し、うち陸前高田市の36戸が完成。22日までに、さらに2013戸の建設を始め、今月末までには新たに618戸が完成する予定だ。


[2011年4月19日]・・・燃料棒の溶融、保安院が初めて認める 内閣府に報告
福島第一原発1~3号機の原子炉内にある燃料棒は一部が溶けて形が崩れている、との見解を経済産業省原子力安全・保安院が示した。18日に開かれた内閣府の原子力安全委員会に初めて報告した。保安院はこれまで、燃料損傷の可能性は認めていたが、「溶融」は公式に認めていなかった。

 燃料棒がどの程度壊れ、溶融しているかは、被害の程度を知る重要な要素。燃料が溶ければ大量の放射性物質が漏れ出て、冷却水や原子炉内の蒸気が高濃度で汚染されることになる。

 保安院は、燃料棒の表面を覆う金属製の被覆管が熱で傷つき、内部の放射性物質が放出されると「炉心損傷」、燃料棒内部にある燃料を焼き固めたペレットが溶けて崩れると「燃料ペレットの溶融」、溶けた燃料棒が原子炉下部に落ちると「メルトダウン」、と定義しているという。

 そのうえで、検出された放射性物質の成分や濃度などから、1~3号機で「燃料ペレットの溶融」が起きていると推測。さらに、制御棒などと一緒に溶けた燃料ペレットが、下にたまった水で冷やされ、水面付近で再び固まっている、との見方を示した。

 ただし、どの程度溶けているかは「実際に燃料を取り出すまでは確定しない」とした。東電は、炉心損傷の割合を、放射線量から1号機で約70%などと推定していたが「現時点では目安にすぎない」としている。

 再び、核分裂反応が連鎖的に起きる「再臨界」が事故後に起きた可能性は、炉心に入れる水にホウ酸を混ぜており、「極めて低い」としている。

 保安院の西山英彦審議官は18日の会見で「溶融とはっきり言うけれど、基本的な考え方自体は変わっていない」とし、これまでわかったことを整理したとの立場であることを強調した。(小宮山亮磨、小堀龍之)
[PR]
by nsmrsts024 | 2012-05-25 05:47 | 朝日新聞・綜合、政治

5月24日(木)・・3.11東日本大震災と福島第一原発爆発事故から1年と2カ月

[被災地の警察職員408人にPTSD傾向]
岩手、宮城、福島3県の警察職員約1万人のうち、今年1~2月時点で4.1%に「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」の傾向があることがわかった。24日、調査結果を発表した警察庁は「看過できない数字」として、職員のメンタルヘルス対策を続けていく。

 警察庁が民間業者に委託し、3県警の全職員と警察庁からの出向者1万434人を対象に「惨事ストレス」をアンケート形式で調査。「もっと助けてあげられなかったのかと思う」など症状が多くみられる職員について、PTSDの傾向があると判断した。

 その結果、回答があった9847人のうち、PTSDの傾向があると判断された職員は408人に上った。県別では宮城が199人(県全体の5.0%)で、福島が145人(同4.0%)、岩手が64人(同2.9%)だった。


[福島復興 国の責任明記 政権の「基本方針」]
野田政権による「福島復興再生基本方針」の素案が23日、明らかになった。東京電力福島第一原発事故の被害を受けた福島県の復興と再生に向け、財源確保など国の責任を明確化。県の要望を取り込み、住民の健康調査や「脱原発依存」のまちづくりを後押しする。6月中旬に閣議決定する方針。

 福島県は原発に雇用や財政を依存してきた。基本方針では「原発に依存しない社会を目指す理念を尊重する」として、再生可能エネルギーや医療産業の拠点整備を国が支援する方針を打ち出した。こうした拠点を新たな雇用確保につなげる考え。電源立地交付金に代わる財政支援は「2013年度予算で速やかな実現を検討する」と記した。

 放射線による健康不安に対応する必要性も強調。震災発生時に18歳以下だった住民の甲状腺検査も国が支援する。2014年3月末までに終え、それ以降は20歳以下が2年ごと、21歳以上が5年ごとに実施。全県民を対象にした放射線の影響調査、避難住民には中長期的な健康調査も行う。







千年に一度の巨大津波と66年後にまた起きた人間が発する核災害の記録
(東日本大震災と放射能人災からの1年間を顧みる)

[2011年4月17日]・・・東電会長、辞任の意向 賠償「全額東電では足りない」
東京電力の勝俣恒久会長は17日の記者会見で、自らの経営責任について「基本的に感じている。退く方向で検討は進めている」と述べ、引責辞任する意向を明らかにした。その時期については、「しかるべき時」とした上で、「基本的には株主総会の時」とも言及した。ただ、その後の朝日新聞の取材に対し、勝俣会長は「株主総会とは今年6月の定時総会を指したものではなく、一般論として申し上げた」としている。

 勝俣会長は会見で、「まずは原子力(発電所)の収束。さらに財務上の問題をどう乗り切るかは厳しい問題」とした上で、「原則は株主総会の時に、(役員)全部かどうかは別にしても責任を取って退任する」と述べ、経営陣全体に責任があるとの考えを示した。

 原発事故の賠償費用については、人員削減や保有株式、不動産といった資産の売却など「あらゆることを実施したい」と話した。ただ、「資産をどれだけ売っても(費用負担が)全額東電ということになれば全く足りない」と国の支援の必要性に言及。負担について「国にスキーム(枠組み)を早く決めて下さいと申し上げている」と述べた。

 東電の発表を受け記者会見した海江田万里経済産業相は、国や東電による補償を担う組織について、「いろんな形で検討を始めている」と説明したが、その枠組みをまとめる時期は明言しなかった。


[2011年4月17日]・・・宮城の震災犠牲者、95%以上が水死 県警発表
宮城県警は17日、東日本大震災の発生から1カ月で検視した宮城県内の死者8015人について、半数以上が60歳以上で、死因は95%以上が津波による水死だった、と発表した。

 死因の内訳は、水死7676人(95.8%)、がれきなどによる損傷死126人(1.6%)、焼死83人(1.0%)など。「建物の倒壊による圧死」は0.3%で、約9割を占めた1995年の阪神大震災とは大きく異なる結果となった。

 警察庁によると、17日午後6時現在の東日本大震災の死者は余震を含めて、1万3802人。警察に届け出があった行方不明者は1万4129人に上る。

 死者の内訳は、宮城県8398人、岩手県3981人、福島県1360人など。行方不明者は宮城県7771人、岩手県4005人、福島県2349人など。
[PR]
by nsmrsts024 | 2012-05-24 06:25 | 朝日新聞・綜合、政治

5月23日(水)・・3.11東日本大震災と福島第一原発爆発事故から1年と2カ月

[震災がれき、静岡・北九州で焼却始まる]
東日本大震災のがれきの焼却作業が被災地以外の自治体で広がり始めている。

 静岡県島田市が23日午前、市内の焼却施設に岩手県山田町のがれきを搬入した。チップ化した木材10トンの焼却を始める。

 島田市では2月に試験焼却をし、周辺の空間放射線量などに影響がなかったとして受け入れを決めていた。がれき受け入れは、東北以外では東京都に次いで2自治体目。6月下旬以降に2回目の搬入をする予定だ。

 静岡市ではこの日午前0時、同町のがれきの試験焼却を始めた。静岡県では、裾野市で16日に試験焼却を終え、浜松市、富士市も今月下旬から6月にかけて実施予定。いずれも焼却灰の放射能濃度などで安全性が確認できれば、受け入れを決定する方針だ。

 北九州市では23日正午から小倉北区の工場で、西日本初となるがれきの試験焼却を開始。焼却するのは宮城県石巻市のがれきで、23日午前、保管場から工場に運び込まれた。受け入れに反対する人たちが車両の前に立ちふさがる一幕もあった。25日にかけて門司区の工場もあわせて約80トンを一般ごみと混ぜて燃やし、周辺の空間放射線量や焼却灰の放射能濃度を調べる。


[原発事故の住民被曝、最高50ミリSv WHO全国推計]
東京電力福島第一原発事故による国内外の外部、内部被曝(ひばく)線量の推計値を、世界保健機関(WHO)がまとめた。全身の被曝線量は、原発に近い福島県浪江町などの住民は10~50ミリ、それ以外の福島県は1~10ミリ、千葉県や茨城県などの近隣5県は0.1~10ミリ、東京都、大阪府など他の国内地域は0.1~1ミリシーベルトだった。

 近隣県や東京など日本全国や国外も含めた大規模な被曝実態の推計は初めて。

 がんの死亡リスクが高まるとされる100ミリシーベルト以上の全身被曝が想定された地区はなかった。甲状腺被曝は最高が浪江町の乳児で100~200ミリシーベルト。甲状腺がんが多発したチェルノブイリの原発事故による避難民の平均490ミリシーベルトは下回った。


[東京湾のセシウム、原発事故前の6倍 基準は下回る]
文部科学省は、東京電力福島第一原発の事故による東京湾の海水汚染調査を実施し、22日、結果を初めて発表した。湾の中央付近でセシウム137の濃度は基準値を大幅に下回ったが、事故前の約6倍だった。

 発表したのは、15以上の調査地点のうち、川崎港と袖ケ浦沖の間の1地点のみ。セシウム137の濃度は海水1リットルあたり0.0098ベクレルだった。海上保安庁が2009年にこの付近で調べた0.0016ベクレルと比べ、6.1倍だった。法に基づく基準値は50ベクレル。

 東京湾では、大学など研究機関の調査で、河川から流れ込んだ放射性セシウムが海底の泥から検出されており、政府も4月から新たに調査していた。残る地点の値も順次発表する。






千年に一度の巨大津波と66年後にまた起きた人間が発する核災害の記録
(東日本大震災と放射能人災からの1年間を顧みる)

[2011年4月16日]・・・がれき総量580万トン、処理に3110億円 岩手知事
岩手県の達増拓也知事は16日、震災で生じたがれきなど廃棄物の総量を580万トンと推計し、処理費用に3110億7千万円を見込んでいると明らかにした。

 3月には倒壊家屋数から380万トンと試算したが、家屋以外の建物や津波で流れ込んだ泥の量などを含めたため、200万トン増えた。県資源循環推進課によると、580万トンは県内で排出される一般廃棄物の12年分にあたる。

 県は全量を年内に集める方針で、一時保管用地3平方キロメートルの4割を確保したという。処理には3~5年かかるとみている。


[2011年4月16日]・・・首相、外出せず来客もなし 終日公邸に 震災後初めて
菅直人首相は16日、終日公邸で過ごし、外出しなかった。先月11日の東日本大震災発生後、初めて。首相官邸も、昼前の地震直後に伊藤哲朗内閣危機管理監らが来たり、被災地視察から戻った辻元清美首相補佐官が執務に訪れたりした以外、動きはほとんどなかった。

[2011年4月17日]・・・「おれの農業は」「牛どうなる」途方に暮れる飯舘村民
本当にムラに戻れる日は来るのか――。向こう1カ月をめどに村外へ避難するよう政府が求めている福島県飯舘(いいたて)村。静かな暮らしを営んできた村人たちは、原発事故という突如降りかかった厄災に怒り、不安を抱え、途方に暮れている。

 16日午後、福山哲郎官房副長官ら政府関係者と菅野典雄村長、村民の代表らが村内で会合を持った。

 「村民を置き去りにして話が進んでいる」「避難というのは、この地に後で戻ってくるということだ。それを忘れないでくれ」。切々と訴える村人たち。避難を前に、いつ避難指示が解除されるかに関心が集まったが、福山氏は「原発の安定が保たれることが前提」と述べるにとどまった。

 「計画的避難区域」という耳慣れない言葉が村民に突きつけられたのは、地震から丸1カ月たった11日。福島第一原発の事故後、村では県内でも際だって高い放射線量が観測されてきた。長く暮らすと健康に影響があるとして政府は全村民の避難を求めた。

 阿武隈高原に開けた村は山林が75%を占め、約1700世帯、6100人が暮らす。「飯舘牛」で知られる畜産と農業が柱だ。

 計画避難が持ち上がってから村は連日、住民集会を開いている。13日夜、小学校の体育館は500人を超える人であふれかえった。役場の男性職員がつぶやく。「祭りでも、こんなに人が集まったことねえな」

 「質問のある方はマイクの方へ」。司会者の呼びかけに老若男女が列をなす。

 「高齢の母を連れて避難するのは無理だ」「仕事を失ったら、国や東電はどこまで補償するんだ」――。不満や疑問の声が次々とあがるが、政府から十分な情報が得られない村側は明確には答えられない。

 「ふざけんじゃねえぞ!」。お年寄りが叫ぶと、一斉に拍手がわいた。
「農家廃業、失業中です」。マイクを握って訴えた赤石沢忠則さん(50)を後日訪ねた。

 自宅を囲む杉林には肉厚のシイタケがあちこちに生えている。「収穫もできやしない」。赤石沢さんは無念そうに足元を蹴った。

 トルコキキョウなどの花やコメ、シイタケを中心とする専業農家。20年前から一棟一棟建て増したビニールハウスは13棟になり、年に1400万円前後の生産高がある。3人の子を育て上げ、7月に長男(27)の結婚式を控え、さあこれからと意気込んだ矢先の「暗転」だった。

 有機栽培にこだわり改良を重ねた自慢の土も、収穫間近の葉物野菜もシイタケも、ダメだろう。

 地元に残っても仕事はない。だが避難が長引けば、手塩にかけた田んぼもハウスも何もかも捨てることになりかねない。

 「こんなことでおれの農業が終わる? そんなことがあっていいのか?」

 畜産関係者が注目する子牛の競りが今月中旬にあった。佐藤宣征(のぶゆき)さん(69)は2頭を出品。風評被害を心配したが、ともに相場通りの値で競り落とされた。

 「安全だとも不安だとも特に意識したことはない」。海からの風がイネに与える影響を心配したことはあっても、約40キロ離れた原発は常に遠い存在だった。

 その風に乗って放射性物質は村にやってきた。原発の恩恵など何も受けてこなかった、この村に。

 福山氏は16日の会合で、村外に牛を移動させる案に触れた。佐藤さんはそうした計画を「ばかなことを」と思うだけだ。

 目の前の水田でイネを育て、順繰りに刈り取っては乾燥させて母牛に食べさせる。そうしてコストを抑え経営を保ってきた。「他に移したらどれだけかかるか。この施設を全部捨てろっていうのか。いきなり他に移された牛が順調に育つかって。機械じゃないんだ。牛飼いの実情を知らない連中の発想だ」
 「6月えいこ、ふく 10月やすこ、なおみ……」。壁の黒板に、出産を控えた母牛の名前がチョークで書いてあった。「そのころ、こいつらどこにいんのかな」。佐藤さんがぼそりつぶやく。

 「おれもこいつらも、だれも何も悪いことしてねえのにな」(松川敦志)


[2011年4月17日]・・・原発安定冷却に3カ月、冷温停止は最速半年 東電会見
東京電力の勝俣恒久会長が17日午後3時から記者会見し、福島第一原発事故の収束見通しについて発表した。収束への道筋として、2段階に分けて考え、第1段階(ステップ1)を3カ月間とし、目標を「原子炉を安定的に冷却し、高レベルの放射能汚染水の流出をさせないようにする」とした。さらに、第2段階(ステップ2)では「原子炉を冷温停止状態にするとともに、放射能汚染水全体の量を減らす」とし、現在から半年~9カ月後の実現を目ざすとした。
[PR]
by nsmrsts024 | 2012-05-23 05:23 | 朝日新聞・綜合、政治

5月22日(火)・・3.11東日本大震災と福島第一原発爆発事故から1年と2カ月

[スカイツリー開業 「名付け親」が天望デッキ一番乗り]
高さ634メートルの世界一のタワー、東京スカイツリー(東京都墨田区)が22日、開業した。徹夜組も含めて各ゲートには行列ができ、併設する商業施設が予定を早めて午前9時40分すぎにオープンすると、若者や家族連れが流れ込んだ。その後、最初の来場者が早速、展望台に上がった。

 この日はまず午前9時20分、雨模様の空に和太鼓が響く中、式典が始まった。事業を進めた東武鉄道の根津嘉澄(よしずみ)社長が「木(ツリー)の育成には水が必要。今日の雨は大きく育っていく恵みの雨です。末永くご愛顧を」とあいさつ。元プロ野球選手の王貞治さんらがテープカットし、開業を祝った。王さんは「地元出身としてこんなにうれしいことはない。仲間も喜んでくれると思う」と語った。

 午前10時50分、名前を決める際に「スカイツリー」に投票した人の中から選ばれた埼玉県の会社員、中澤歩さん(42)が、長男で中学1年の謙太さん(12)らとともに、エレベーターで高さ350メートルの天望デッキに一番乗り。中澤さんは笑顔で窓に歩み寄ると、「すごーい」と一言。雨雲で遠くまでは見通せず、かろうじて足元の景色が見える程度だったが、「ずっと楽しみにしていたので、感動的でした」と話した。名付け親の一人としては「幸せの一言です」とも。






千年に一度の巨大津波と66年後にまた起きた人間が発する核災害の記録
(東日本大震災と放射能人災からの1年間を顧みる)

[2011年4月15日]・・・避難住民に100万円仮払い、東電に指示へ 菅内閣
福島第一原発事故の補償問題にあたる菅内閣の「原子力発電所事故による経済被害対応本部」の第一回会議が15日朝開かれ、事故に伴う避難住民に対し、当面の生活資金として1世帯100万円(単身者は75万円)を仮払いするよう、東京電力に指示することを決めた。支払総額は約500億円となる。また海江田万里経済産業相は、巨額の賠償負担に東電がたえられないのではとして政府内などで取りざたされている国有化論について、「国有化はない」と明言した。


[2011年4月15日]・・・海水のフェンス設置完了 たて坑水位は上昇 第一原発
東京電力福島第一原発で、取水口付近の海水を仕切る「シルトフェンス」を6カ所に設置する作業が14日に終わった。新たな放射能汚染水の流出が発生したとしても、その拡散をある程度防げるようになった。流出元になった2号機の取水口付近では15日も止水用の板を設け、追加で地盤を固める作業が進められる。

 シルトフェンスは元々、土木工事で発生する泥水の拡散防止に使われる。海上の浮きから海底付近までカーテンのようにポリエステル製の幕で仕切る。

 設置したのは取水口付近の6カ所で、いずれも二重に張った。1~4号機の取水口を囲んだうえ、これを囲む堤防の開いた部分を閉じるように設置した。

 13日現在、2号機取水口付近では周辺の濃度の基準の2500倍、堤防の内部でも1400~1700倍のヨウ素131が検出されている。この拡散をある程度防ぐと期待されている。

 13日までに汚染水回収の第1段階が終わった2号機の坑道では、くみ上げによりいったん8センチ下がったたて坑の水位が上昇に転じ、元の1.5センチまでに戻った。地上の入り口からの深さは92.5センチで、余裕はあるという。タービン建屋地下にたまった水の流入が続いているとみられている。

 もう一つの収容先となる集中廃棄物処理施設(容量3万トン)では引き続き、受け入れ準備の点検が進められている。東電はこのほか、4月下旬までに1万2千トン分の仮設タンクの設置を終える見通しを示した。

 また、東電は14日、敷地内の土壌中のウラン測定結果を初めて公表した。3月28日に採取した2地点を分析したところ、天然中に存在するのと同じレベルのウランが検出されたという。また、事故に由来するとみられるプルトニウムも引き続き検出されている。


[2011年4月15日]・・・ベンツ、被災地に20台寄付 復旧作業用に四駆など
東日本大震災の被災地でがれき撤去などの復旧作業に使ってもらおうと、ダイムラー(本社・ドイツ)はメルセデス・ベンツの四輪駆動車など計20台の寄付を決め、15日朝、第1陣となる12台がドイツから成田空港に到着した。茨城や栃木県内の工場で整備した後、日本財団を通じて、東北の被災地の自治体やNGOに贈られる。

 15日に到着したのは、車両が頑丈な四駆「Gクラス」8台と、がれきの上でも走ることができる多目的作業車「ウニモグ」4台。16日には、ショベルやクレーンが取り付けられるトラック「ゼトロス」8台が到着する。ゼトロスは日本国内では初のお目見えという。ベンツ日本法人によると、同社はスマトラ沖地震や四川大地震のときにも数台を寄付しているが、20台は過去最多という。

 ダイムラーは、このほか傘下の三菱ふそうの小型トラック30台も寄付する。ダイムラーのアンドレアス・レンシュラー取締役は「これらの車両を救援と復興に役立ててほしい」と書面でコメントしている。


[2011年4月15日]・・・がれきの中にプレハブ 仮設抽選外れ、自力で自宅跡に
がれきの中に、プレハブの住宅がポツンと立っている。津波が川を逆流し、65戸あった民家が1軒を残して全壊、流失した岩手県陸前高田市気仙町の荒町集落。宮大工の熊谷立郎(たつろう)さん(78)が、流された自宅の基礎の上に建てた。

 完成した13日、妻の和子さん(73)、次男で水道工の紀男さん(45)、おいの優人さん(22)と車座になってカップ麺の夕飯を食べた。「やっと落ち着いたな」。そう話す熊谷さんに、紀男さんは「寝るとこも決まったし、出稼ぎにでもでるかな」とつぶやいた。

 地震後は避難所にいたが、「やっぱり荒町に戻りたい」と、自宅跡でテント暮らしをしながら、がれきの撤去を続けた。市の復興計画のめどは立たず、仮設住宅の抽選にも外れ、自分でプレハブを建てることにした。

 水や食べ物は支援物資でまかなう。夜は支援者から送られた懐中電灯などを使って過ごす。近くには数日前、仮設トイレも置かれた。熊谷さんは「ここは海も山も川もあるいい町なんだ。誰かがここにいないと、みんなが戻って来られない」と言うが、市の計画次第ではプレハブを出る準備もあるという。

 陸前高田市は「津波やがれき撤去で危険があるので、復興計画ができるまでは被災地域での建設は自粛をお願いするしかない」(須賀佐重喜・建設部長)と複雑な思いだ。現時点で、岩手県は同市で建築基準法に基づく建築制限をかけておらず、直ちに違法とは言えないという。

 被災地では、宮城県が気仙沼市など5市町で同法に基づく建築制限をかけることを表明。同県石巻市も独自に規制をかけている。(贄川俊、牛尾梓)


[2011年4月16日]・・・国内の外国人数、23万人減 震災後の4週間
東日本大震災の発生から4週間で、国内にいる外国人の数が約23万人減ったことが法務省入国管理局の集計で分かった。観光客を中心に急いで出国した後、客足が戻っていない実態が裏付けられた。

 震災翌日から1週間ごとにまとめた4週間分の出入国者数を、15日に速報値として公表。3月12日からの1週間で約24万人が出国し、震災直前の1週間に比べて約10万人も多かった。逆に入国者は約5万8千人で、震災前の1週間の約15万7千人から激減した。

 その後、入国者は増え始め、震災後3週間目(3月26日~4月1日)には約8万7千人、4週間目(4月2日~8日)は約10万6千人で、いずれも出国者数を上回っているという。

 ただし、在留資格別にみると、観光客が含まれる短期滞在者の入国は震災前の1週間に約12万人だったのが、震災直後の1週間は約3万4千人に急減。4週間目でも約3万1千人にとどまっており、観光客の足は戻っていない。



[2011年4月16日]・・・地震・津波・原発事故に風評被害…「四重苦だ」
福島第一原発の事故で風評被害が広がっている。被災地周辺の野菜や牛乳が敬遠され、がれきの受け入れで苦情が殺到した。子どもへの差別的な言動も報告された。放射能への誤解や過剰な警戒が原因だ。政府や行政は冷静な対応を呼びかける。  「地震、津波、原発事故に加えて風評被害で四重苦だ。本当に恐ろしい」

 15日、東京・霞が関の農林水産省で、福島県南相馬市の関係者が、鹿野道彦農水相に口々に訴えた。

 福島県は全域で葉物野菜、大部分で原乳の出荷が禁止されている。だが、対象でない特産のイチゴも売れず、値段は通常の半分。同市は自主的に、全域で今季の米作りも見合わせた。

 官邸ではこの日、JA福島中央会から「風評被害の一掃を」との陳情を受けた菅直人首相らが、報道陣の前で県産のイチゴやキュウリをほおばってみせた。

 農水省によると、福島県産では牛肉が返品されたり、製材が取引をキャンセルされたりするケースも報告されている。

 福島以外でも、葉物野菜を中心に風評被害が広がっている。

 東京都中央卸売市場では3月下旬、出荷停止の対象でない茨城県産レタスの価格が前年同期の2~4割程度に暴落した。キャベツは愛知、神奈川が主産地にもかかわらず平年の69%(14日)で、産地を問わず低迷している。

 水産物では、茨城県沖のイカナゴ(コウナゴ)から基準を超えた放射性物質が検出された4月上旬以降、千葉県産も価格が下落したままだ。

 すべての漁が止まっていた茨城では15日、2漁港の10隻ほどが漁を再開した。日立市の漁師の小泉昭彦さん(67)は「このままでは収入はゼロ。生活するには、安く買いたたかれても、漁に出るしかない」と話す。水揚げしたヤリイカやアンコウなどの値は普段の7割ほど。アジは普段なら1キロ150~200円だが、約10円だった。

 北茨城市の平潟漁港でも、6~7割の値しかつかなかった。16日には東京・築地市場などで競りにかけられる。平潟漁協の鈴木一久参与は「どのくらいの値がつくのか、祈るような気持ちだ」。
海外では、中国が福島周辺の12都県の食品・飼料の輸入を停止。ベトナムなどは全国のすべての食品を止めている。松本剛明外相は15日の記者会見で、海外メディアで間違った情報が流れないよう「しっかり対応する」と述べた。

 そんな中、「回復」の兆しもある。出荷停止が解除され、福島・会津産の原乳を使った牛乳が16日から首都圏の店頭に再び並ぶ。会津中央乳業の二瓶孝也社長は「再建の目鼻がついてきた。このまま順調に流通してほしい」。

 だが、風評被害は食品にとどまらない。

 川崎市では、阿部孝夫市長が被災地のがれきを受け入れると表明したところ、「放射能のごみを燃やしたら危険」などの苦情が市に殺到した。受け入れ方針が報じられた8日以降、電話やメール、封書は4千件近くに及ぶ。

 大半は「放射能を帯びた廃棄物が持ち込まれる」という誤解に基づくもの。市はホームページにQ&Aを掲載し「安全が確認されるまで受け入れることはない」などと説明。最近は「電力を供給されている立場で(がれき受け入れに)文句を言うのはおかしい」「頑張って」といった電話も増えてきたという。

 千葉県船橋市では、「福島から来た児童が地元の子どもたちから避けられた」とする報道もあり、市などが対応に追われた。

 発端は、避難者の支援活動をしている市議が3月下旬、福島から避難している70代女性と40代男性の親子から聞いた話。「船橋に避難した親類の子が市内の公園で遊んでいる時、福島から来たと言ったら避けられた。子どもたちは船橋に転校するのをやめた」といった内容だった。

 事実関係は不明だが、市教委は念のため、3月28日に全市立小中学校に、「(避難してきた子らに)思いやりを持って接し、温かく迎える」「不安な気持ちを考え、言動に注意する」などと注意を求めた。
[PR]
by nsmrsts024 | 2012-05-22 07:16 | 朝日新聞・綜合、政治

千年に一度の巨大津波と66年後にまた起きた核災害


by nsmrsts024
プロフィールを見る
画像一覧