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3月29日(火)・・・子どもたちは遊んで笑って ユニセフや国際NGOが支援

海外の災害地での活動経験が豊かな援助団体が東日本大震災の被災地の避難所で、子どもの遊び場づくりを広げている。子ども同士で遊ぶことで、大人に言えずに抱え込んでしまっているストレスを発散し、笑顔を取り戻すための取り組みだ。

■絵本や積み木、人形配る

 ユニセフは、0~6歳の子ども向けの玩具が入ったジュラルミンケース「箱の中の幼稚園」を20個、日本に送った。クレヨンや絵本、積み木、パズル、指人形など37種類が詰まっている。ハイチ大地震やミャンマーを襲ったサイクロン、スリランカの紛争の被災地でも、子どもたちに届けられた。

 宮城県石巻市で約590人が避難している蛇田中学校の体育館に25日、箱が届くと集まった約15人の子どもたちが夢中で遊んだ。今後は避難所で管理され、定期的に遊びの場が設けられる。

 ここで避難生活をする岩倉侑(あつむ)君(8)は、離れた小学校に通っていて、友だちと離ればなれ。一時は、孤立していた別の避難所で妹の知世ちゃん(5)や祖父母と過ごし、お母さんにも会えなかった。今、侑君は余震のたびに母親の朋子さん(38)にくっつく。知世ちゃんは「食べ物がなくなったらどうしよう」と時々言うようになった。

 地震の後、どうやって遊んでいたかを尋ねると、侑くんは「何もしてなかった。でもおもちゃが来たから遊べる。明日もブロックで遊ぶ」と答えた。

 昨年1月に起こったハイチ大地震の復旧現場から来たユニセフ・ハイチ事務所の井本直歩子さん(34)は「子どもたちは災害のショックで、いろんなことを吸収する能力を閉ざしてしまうことがある。遊びで自然な刺激を積み重ね、気持ちを回復させていくことが大事」と話す。

■大人への遠慮、忘れさせて

 国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」は、宮城、岩手両県の7カ所の避難所で「こどもひろば」を開いている。
石巻市の大街道小学校では、スタッフが「時間はあと30分。何して遊ぼうか」と声をかけると、「粘土やりたい」「折り紙の方がいいかなあ」との声が返ってきた。

 電気や水道が復旧しておらず教室は薄暗いが、床に敷かれたゴムマットの上で幼児や小学生ら12人が、歓声をあげていた。

 同小2年の上地彩稀さん(8)は、上級生に折り紙を教えてもらった。「みんなで集まれるのがうれしい。すごい楽しい」と笑顔だ。「明日も来たい人」とスタッフが尋ねると、全員が手を挙げた。

 ひろばでは2人のスタッフが見守るが、なるべく子どもたちがしたいように遊ばせる。マットで「遊んでいい場所」がはっきりわかるようにし、時間をしっかりと決め、おもちゃは自分で片づけさせる。

 同団体は世界にネットワークを持ち、ハイチ大地震や、2009年のイタリア中部地震の避難所にも「ひろば」を持ち込んだ。今回は経験を積んだ海外のスタッフも日本に入り、各避難所に直接足を運んで需要を調べた。事前の聞き取りでは「おじいちゃん、おばあちゃんが悲しそうだから、ここでは遊ばない」と話す子どもがいた。

 スタッフの佐藤則子さんは「大変そうな大人を見て遠慮することがある。遊びの時間を確保して気持ちを吐き出させ、なるべく日常に近づけるようにしてあげたい」と話している。(平井良和)
by nsmrsts024 | 2011-03-29 23:15 | 朝日新聞・綜合、政治

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