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4月14日(木)・・・調髪・整体・ランチ… 普段の暮らしが義援金に 九州

前髪を切ると、料金の一部が義援金になる――東日本大震災の被災地を支えようと、ユニークな形の支援が広がっている。ふだんの生活の中で無理なく続けるにはどうしたらいい? 被災地から遠く離れた九州で何ができる? さまざまな店の経営者らが考えた。

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 福岡市中央区の美容室「Room」では、前髪カット代と眉カット代(各525円)を義援金として集めている。

 オーナーの佐野立興(りゅうこう)さん(48)は2005年の福岡沖地震で、住んでいた同区内のマンションが半壊した。その日は公民館で一晩を明かした。そんな経験から、震災発生直後から支援について思いを巡らせてきた。「募金箱の設置では負担はお客さまだけ。店も相応の負担をするべきだ」

 代金はレジ前の箱に入れている。千円、1万円と出す客もおり、すでに10万円近い額が集まった。

 ふだん通りの暮らしと消費を続けることが、めぐりめぐって被災地の復興を助ける。そんな思いを持って取り組む人もいる。

 福岡県大野城市の整体院「足裏バランス本舗Basic」。足裏の角質を取るコースを受けると、料金の半額にあたる1500円が義援金に回る。その名も「足裏ピカピカ義援金」。

 代表の志賀千香さん(36)は、茨城県内の親族が被災した。「健康や癒やしを提供する日常への迷いを感じた時期もあった」と打ち明ける。「でも、西日本にいる私たちこそ、ふだん通りの生活と消費を続けることで復興に貢献しないと。無理なく息長い支援を続けたい」
福岡市中央区のホテルニューオータニ博多では、一部レストランのランチ料金の5%を義援金にあてている。大谷綾子課長(48)は「自粛が行きすぎれば社会全体が停滞する。ふつうに営業して、ふつうに食事をして頂くなかで被災地を応援する形をめざした」と話す。佐賀や熊本のホテルでも同様の取り組みをしている。

 鹿児島市の居酒屋「恵のおかげ」では、東北地方の日本酒を飲むと金額の1~2割が義援金になる。震災で多くの酒蔵が被害を受けた。「飲んで頂ければ蔵元もうれしい。飲むことが支援につながる」とオーナーの岡正訓さん(39)。

 福岡市などでヨガ教室「スマココyoga」を開く松島佳世さん(34)は、今月の体験レッスンの受講料を全額寄付金にあてる。「参加した人の気持ちに委ねたい」と料金は決めず、教室に置いた募金箱に入れてもらうことにした。

 こうした活動について、寄付の普及や促進をめざす団体「日本ファンドレイジング協会」の徳永洋子事務局次長は「生活に身近なサービスを通し、多くの消費者や企業が被災地に思いを寄せ続けることができる」と評価。「復興を下支えする寄付の形として定着してほしい」と期待を寄せる。(井上知美、山下知子)
by nsmrsts024 | 2011-04-14 19:39 | 朝日新聞・綜合、政治

千年に一度の巨大津波と原発事故による核災害


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