人気ブログランキング | 話題のタグを見る

4月17日(日)・・・G20、拭えぬ原発不安 米仏、事故対応に強い関心

米ワシントンで開かれた主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が15日、日本経済の回復力への期待と復興支援を打ち出す共同声明をまとめ、閉幕した。復興に向けて世界の協力を取りつけた一方、原発事故などへの不安は依然強い。適切な情報発信で各国の信頼を得ることが今後の課題となる。
 声明では「(東日本大震災があった)日本の経済、金融の回復力を信認する」として復興への期待を示した。「悲劇的な出来事について日本の人々と連帯し、必要とされるいかなる協力も提供する用意がある」と、G20をあげて日本を支援することも盛り込んだ。

 白川方明(まさあき)・日本銀行総裁は15日夜の記者会見で「各国の支援と理解に深く感謝するとともに、勇気づけられた」と語り、一定の成果をあげたとの考えを示した。野田佳彦財務相も同日夜の会見で「日本が復活し、世界経済に貢献できるイメージを(各国に)持ってもらえるかが最大のポイントだった」と振り返ったうえで、「基本的には所期の目的は達成できたと思う」と満足感も示した。

 だが、震災後初の大きな国際会議となった今回、各国が注目した影のテーマは福島第一原子力発電所の事故の行方だった。議長を務めたラガルド仏財務相は会合前、「世界経済に影響する。説明を注意深く聞きたい」と語っていた。

 米欧メディアでも原発事故の状況は連日報道されている。各国にとっては今回、「フクシマ」の現状を直接聞ける機会だった。日本にとっては、日本製品の輸入制限の動きが出ているなかで、各国に安心するよう訴える場でもあった。

 野田氏はG20開幕直後の14日夜の夕食会で震災対応や原発問題を説明した。「情報を、迅速で正確に提供するように努める」と約束し、各国に冷静な対応を求めた。「異論、反論はなかった」(野田氏)として、日本側は基本的な理解を得られたとみている。
だが、各国はそれで納得するほど単純ではない。

 翌15日朝の日米財務相会談。ガイトナー米財務長官は「原発のリスクはどうか」と尋ねたという。野田氏は「放射性物質を拡散させないよう最大限努力している」と応じた。

 米ホワイトハウスの会見では3月、米メディアから「日本政府からの情報に、米政府は満足しているのか」「米国がもっと介入すべきでないか」との追及が相次いだ。呼応するかのように、米政府が原発事故への支援や関与を強めていった経緯がある。

 関心の高さは原発大国のフランスも同様だ。だが、ラガルド財務相は15日の会見で、朝日新聞記者が「日本へのメッセージ」と「原発問題での懸念は和らいだか」と質問したところ、日本を全力で支援するという回答しかなかった。野田氏の説明に納得したかはわからない。

 一方、日本からみると楽観的な見方もある。国際通貨基金(IMF)は11日に発表した世界経済見通しで、2011年の日本の経済成長率を1.4%としたが、1月時点の予測と比べて0.2ポイント下げただけだ。

 電力の供給不足や原発問題が「2、3カ月以内に解決する」との仮定で算出したという。電力不足の影響や原発事故の長期化などの情報が日本政府や東京電力からしっかり発信されないのが一因とみられる。(ワシントン=尾形聡彦)
by nsmrsts024 | 2011-04-17 04:18 | 朝日新聞・綜合、政治

千年に一度の巨大津波と原発事故による核災害


by nsmrsts024