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4月19日(火)・・・経産省幹部の電力会社再就職、自粛を通達 菅政権

菅政権が18日、経済産業省幹部による電力会社への再就職の自粛を通達したのは、福島第一原発の事故を機に、電力業界と所管官庁の経産省の密接な関係に不満を抱く国民感情に配慮したためだ。ただ「天下り根絶」を掲げながらも実効策を打ち出さず、今になってあわてて一部だけ実施するという「ご都合主義」の側面は否定できない。

 この日、経産省が各電力会社に通達したのは、本省の大臣官房幹部や資源エネルギー庁の部長級以上、原子力安全・保安院の審議官以上を経験した職員による電力会社への再就職を無期限で自粛することなどだ。該当者は数百人規模という。今年1月、前エネ庁長官の石田徹氏が、退任から4カ月あまりで東電顧問に再就職したことがきっかけだ。

 東電では、過去3人の通産省(現経産省)OBが顧問を経て役員についている。電力料金改定の許可や規制を握るエネ庁長官経験者の再就職も石田氏で2人目だ。最近では、エネ庁で部長職も務めた白川進・元通産省基礎産業局長が昨年6月まで副社長を務めていた。ほかの電力会社9社にも現在、それぞれ1人から2人、計10人余りが天下り、現役役員や役員含みの顧問などに就いている。

 枝野幸男官房長官は18日の会見で、自粛措置の狙いについて「国民から疑念を招かないようにするためだ」と強調した。だが、今回の自粛の対象は現在の在職者だけ。石田氏は自ら辞任する意向だが、ほかのOBについては「すでに退職しており、対象ではない」(経産省秘書課)という。

 もともと事故発生前の菅政権は、石田氏の再就職について「天下りとは質が違う」(当時の大畠章宏経産相)として容認してきた経緯がある。

 民主党は09年のマニフェストで「天下りの根絶」を掲げて政権の座についた。だが、鳩山内閣が禁止したのは「省庁による天下りのあっせん」のみ。菅内閣も昨年6月、あっせん禁止の厳格順守などを定めた基本方針を閣議決定したが、今回のように企業側が直接就任を要請したケースは「違法ではない」と、野放しにしていた。

 だが、原発事故後、原子力を推進するエネ庁と、原発の安全性を監督する原子力安全・保安院の双方を抱える経産省OBが電力会社に再就職することに世論の批判が噴出。菅政権は方針転換を迫られることになった。

 菅直人首相は18日の参院予算委員会で、石田氏の再就職について「大きな事故が発生した中で、経産相は今後は同じような形ではやらせないと言った。私もしっかりやってもらいたいと考えている」と強調した。
by nsmrsts024 | 2011-04-19 00:14 | 朝日新聞・綜合、政治

千年に一度の巨大津波と原発事故による核災害


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