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5月14日(土)・・・高校再開「でも列車が」 下宿や校内宿泊始める生徒

ようやく授業が始まった被災地の高校で、学校に通うのを悩む生徒たちがいる。唯一の通学の足だった鉄道が寸断され、復旧のめどが立たないからだ。「部活ができない」「親に送ってもらうのは大変」。転校したり、下宿したりする生徒が出始めている。

 宮城県南三陸町のJR志津川駅。駅舎が跡形もなくなり、レールが埋もれている。駅前のバス停で、気仙沼高校1年の渡辺由記さん(15)が午前6時23分発のバスに乗り込んだ。

 5歳上の姉も卒業した第1志望の学校に入学したばかり。だが、「帰りのバスが早くて部活もできない。通い続けるか迷っているんです」と話す。

 JR気仙沼線を使って片道1時間のはずの通学時間は、代替バスで2時間。しかも、1日2往復しかない。同町の隣の登米市にある佐沼高校なら、父親が通勤途中に車で送ってくれる。通学定期は1カ月分しか買っていないという。

 三陸沿岸を走る気仙沼線は9駅の駅舎が流され、各地で橋が崩落し、レールがゆがむ。生徒約820人のうち約100人が気仙沼線で通学していた気仙沼高校では、新入生9人が通学困難などを理由に内陸や遠方の高校に転校した。2、3年生も4人が学校を移った。

 千田健一教頭(54)は「転校の手続きをする生徒に『通えるから大丈夫』とは言えず、黙って送り出すしかなかった。これから転校する子も出るだろう」と唇をかむ。

 校内の柔道場に暮らす生徒も24人いる。自宅を流された南三陸町の3年生三浦竜馬さん(18)は「バス代は高いし、下宿にも月6万円はかかる。それなら家族から離れてもここの方がいいと思って」。

 気仙沼線の不通区間の沿線にある高校7校では、9日までに授業が再開した。計約3千人の生徒の一部は下宿したり、保護者の送迎に頼ったりしている。JR東日本は「新たな街づくりに合ったルートで鉄道を引く必要があり、復旧の目安もお答えできない」という。(工藤隆治)
by nsmrsts024 | 2011-05-14 19:38 | 朝日新聞・綜合、政治

千年に一度の巨大津波と原発事故による核災害


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