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5月17日(火)・・・原発収束「年内目標」に変更なし 東電工程表を改訂

東日本大震災で被災し爆発事故を起こした福島第一原子力発電所について、東京電力は17日、1カ月前に示した事故の収束のための工程表の改訂版を示した。この間、新たに炉の損傷や冷却水の漏れが相次いで見つかったが、当初示した7月までに原子炉を安定的に冷やし、今後、5~8カ月以内に事故を収束させるという目標は維持するとした。

 新たに示した工程表で、原子炉を安定的に冷やす方法として、タービン建屋や原子炉建屋にたまっている水を原子炉に戻して冷却に使う「循環注水冷却」という新たな方法を、優先的に採り入れることにした。

 これまでは、燃料からの熱で高温になった水を冷やすための熱交換器の設置や、格納容器を水で満たす冠水を実施するとしていた。1号機は燃料がメルトダウンを起こし、格納容器の破損が見つかったことから、冠水の実施は難しいと判断し、これらの措置は後回しにするか、目標が達成されれば実施しないとした。

 汚染水は、仏アレバ、米キュリオンの放射能汚染処理施設を設置して、年内にはすべて処理する計画だ。

 現在、1~4号機のタービン建屋に8万7500トン、1号機の原子炉建屋には3千トンのたまり水がある。2、3号機では海への流出もあり、汚染水は処理できずに増え続けている。

 1~3号機では、燃料を冷やすために毎日500トンの水をそれぞれの原子炉に入れ続けている。1号機のほか、2、3号機の原子炉建屋にも水がたまっている可能性が高い。今回の工程表では、こうしたことを想定し、汚染水をこれ以上増やさないように、循環注水冷却という仕組みを採り入れることにした。

 外部への放射能漏れにつながる汚染水対策についても、地下水の汚染拡大防止を盛り込んだ。これまで、地下水への汚染が拡大して海に流出するのを防ぐため、坑道のたて坑などを埋める作業を進めてきた。今回の工程表では、新たに地下水対策も盛り込み、海岸近くに地下水の遮蔽(しゃへい)壁を設けるなどの対策を検討することにした。

 余震対策としても、4号機の使用済み燃料プールの耐震補強工事に加え、1~3号機の耐震補強工事も実施することにした。さらに、岩を金属製のかごに入れて積み上げて津波から建物を防ぐ仮設防潮堤を設置することにした。

 東電原子力・立地本部の武藤栄本部長は「ほぼ考えていた通りに進んでいる。原子炉に確実に注水し、燃料は着実に冷えている」とし、順調に作業が進んでいるとの見方を示した。

 政府の原子力災害対策本部も17日、事故対応の工程表を公表。7月中旬までに国際原子力機関(IAEA)の調査や、事故原因の検証を始めるとした。また東電への支援のほか、安全性確認、原発敷地外での放射線モニタリング(監視)も工程表に盛り込んだ。(坪谷英紀)
by nsmrsts024 | 2011-05-17 21:24 | 朝日新聞・綜合、政治

千年に一度の巨大津波と原発事故による核災害


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