2018年1月10日 (木):

日本じらされ「法的措置」 徴用工協議要請 日本、外交問題化、誤算

 韓国の元徴用工判決で日本政府が日韓請求権協定に基づく政府間協議を初めて申し入れたのは、韓国政府の対応の遅れにしびれを切らし、日本が「法的措置」に踏み出したことを意味する。ただ同時に、あくまで「韓国の国内問題」にとどめる日本側の目算は外れ、完全に外交問題化した形だ。安倍政権は経済制裁もちらつかせながら事態打開を探るが、韓国側が態度を硬化させれば解決は遠のきかねない。【秋山信一】

 「原告による日本企業の財産の差し押さえの動きは極めて遺憾だ。事態を深刻に捉えている」。菅義偉官房長官は9日の記者会見で韓国側を強く批判。韓国政府の対応が間に合わず、差し押さえが現実化したことにいらだちものぞいた。

 韓国政府が当初「昨年中」としていた対応策は発表されず、12月31日には韓国の原告団が新日鉄住金の資産差し押さえを裁判所に申請。安倍晋三首相は1月6日に「国際法に基づき毅然(きぜん)とした対応をとるため、具体的措置の検討を指示した」と表明したが、それでも日本政府は「申請は原告団がやったこと。韓国政府の対応を待つ」と望みをつないできた。

 しかし、韓国の裁判所が資産の差し押さえを認めたことが8日に判明。外務省幹部は「(申請許可は)韓国当局の判断だ。韓国の国内問題から国際問題へ局面が変われば、日本としても動かないわけにいかない」と強調する。

 協定に基づく協議要請は首相が指示した具体的措置の「第1弾」だ。日韓が折り合えない場合、協定は第三国を交えた仲裁委員会設置を認めている。日本側は国際司法裁判所(ICJ)への付託も視野に入れ、韓国が国内での対応に本腰を入れざるを得なくなる展開に期待している。

 ただ、日本が決め手を欠くのは否めない。政府高官は「韓国は協議に応じないだろう」との見方を示し、仮に協議が始まっても長期化すれば日本企業の保護は難しい。仲裁委の設置やICJへの付託は、協議と同様に韓国の同意が条件だ。原告側が差し押さえ資産の売却申請に出れば日本企業に実害が出かねない。

 実害が生じた際に日本政府が検討する対抗策にも課題は多い。安倍政権は2017年に慰安婦問題を巡る対抗措置として駐韓大使の一時帰国に踏み切ったが、その間は韓国首脳との連絡が停滞した。韓国製品の関税引き上げや、日本国内の韓国政府資産差し押さえなどの経済制裁は「日本の国内法整備に時間がかかるのが難点」(外交筋)。北朝鮮問題で日韓連携が乏しくなる事態も懸念される。

 このため当面は、仲裁委などをテコに韓国政府による対応を迫るしかないのが現状だ。韓国海軍艦艇が海上自衛隊の哨戒機に火器管制レーダーを照射した問題でも日韓の主張が対立する中だけに、日本外務省関係者は「協議申し入れに韓国がどう出るか見通せない。日本の強硬姿勢がマイナスにならなければいいが」と漏らした。

大企業にはまねできない!専門家も舌を巻く“すしざんまい3億円マグロ”戦略

 築地から移転して初めての正月を迎えた豊洲市場(東京都江東区)。5日朝の初セリで、青森・大間町産の278キロの本マグロが、史上最高値で落札された。その額、なんと3億3360万円(1キロあたり120万円)。これまでの最高値1億5540万円(2013年、1キロあたり70万円)の2倍を上回る価格となった。

 落札したのは、すしチェーン「すしざんまい」を運営する「喜代村」。同社によると、この278キロは1万5000貫分に相当。単純計算すると一貫あたり約2万2000円だが、同社はこれを通常価格の大トロ398円、中トロ298円、赤身158円(いずれも一貫あたり税別)で振る舞ったという。

 「すしざんまい」の店舗が密集する東京都中央区築地に住んで16年になる男性(59)は、3億円マグロのニュースを見た妻にせがまれて、5日夜に本店へ。1時間待ちの長蛇の列で本店はあきらめたが、わざわざ別の店舗に足を運び、30分並んだ。1人1貫限りの注文に、妻と中トロを選択。同チェーンで初セリの本マグロを味わうのは初めてだったが、「めちゃくちゃおいしかった。年初から験がいい」と声を弾ませた。冷やかしでほかのすし店ものぞいてみたが、どこもガラガラだったという。

 赤字覚悟の超ご祝儀価格での落札は、宣伝効果を狙ったものだろう。マーケティングコンサルタントの西川りゅうじん氏は、3億円もの落札金額の経理上の勘定科目は、実質的には「仕入れ原価」ではなく「広告宣伝費」になるだろうと話す。

「NHKをはじめマスコミ各社が全国ネットで大きく報じ、SNS全盛時代の昨今、それがネット上でさまざまな議論を呼んでおり、広告宣伝費に換算すればペイしたと言えるでしょう。ネット上でざわつくには、期待を裏切るほどの驚きが必要です。今回のように『ケタ一つちがう額』でなければ、ここまでの話題にはなっていなかったはずです」

 確かに、直後からSNSでも「やり過ぎではないか」という声が続出。また、同じ金額を投じてマスメディアやネットの広告枠を購入する場合、企業は確実に情報発信ができるものの、消費者は「自社のためのCM、広告でしょ」と受け流す。話題になってメディアで紹介される方が信頼度が高く、訴求力がある。さらにネット上で賛否を呼べば呼ぶほど、少なくとも知名度は上がる。時代に即した賢いPR手法なワケだ。

「超高級店なら眉をひそめる客もいるでしょうが、大衆店ですからターゲットとなる客層は私たち一般消費者です。木村清社長が意図せずとも、ここまで大きなニュースになり、ネット上をざわつかせているわけですから、会社としては結果的に成功ですね」

 また、西川氏はこんな芸当は大企業にはやりたくてもできないという。

「株式会社喜代村が、木村社長がオーナーの非上場企業だからできるのです。上場企業であれば、株主から『そんな金があるなら株主にもっと配当しろ!』と叱られます。ここまで常識外れの高額落札は、大企業では絶対に社内で稟議さえ上がらないPR手法です」

 初セリの本マグロの最高値については、昨年こそ水産仲卸「やま幸(ゆき)」が大間町産405キロを3645万円で落札したものの、2012年から一昨年までは喜代村が6年連続で落札してきた。本マグロの初セリといえば木村社長の笑顔が浮かぶ人も多いだろう。

「喜代村の初セリの最高値落札は、社長と会社のキャラが立ったPR手法として確立しています。『すしざんまい』のブランド周知に大きく貢献していることは間違いない」

 したたかなPR戦略といえそうだが、一点だけ、西川氏が懸念を示す。

「お店の知名度もさらに向上し、マグロにありつけたお客さんは喜んだでしょう。しかし、今回の超高額での落札を好循環につなげられるかどうかは、従業員にどこまで還元できるかにかかっていると思います。『すしざんまい、すごいね!』とお客さんが来店しても、その客が再び利用するかは、従業員の皆さんが提供する味とサービスで決まります」

 ただでさえ人手不足で、定着率の低さが際立つ飲食業界。すし店ならば、衛生管理にも細心の注意を払うなどサービスの質も求められている。つまり、従業員のモチベーションに店の評判がかかっているのだ。

 企業の成長にはPRも大切だが、つまるところ、企業は人なり。従業員還元で成長の好循環を生んで、来年も記録を更新してほしい。(本誌・緒方麦)



[2011.3.11 東日本大震災と福島第一原発爆発事故から7年と9ヶ月]

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3.11東日本大震災  津波 439

by nsmrsts024 | 2019-01-10 05:14 | 朝日新聞・綜合、政治

千年に一度の巨大津波と66年後にまた起きた核災害


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