2019年2月21日(木):ロシア、米国が核配備なら直ちに対応 大統領が年次教書演説
2019年 02月 21日
[モスクワ 20日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領は20日、施政方針を盛りこんだ年次教書演説を行い、米国がロシアに近い地域に新たな核ミサイルを配備すれば、ロシアもミサイルを配備して対抗するとの姿勢を示した。
トランプ米政権は今月1日、冷戦末期に旧ソ連と締結した中距離核戦力(INF)廃棄条約の破棄を表明。ロシアが是正しなければ条約は6カ月後に失効する。[nL3N1ZW4Y0]
プーチン大統領はこの日の演説で、ロシアは対立を望んでいないとし、米国のINF廃棄条約の破棄通告に対応して米国に先んじてミサイルを配備することはないと表明した。ただ、米国のいかなる配備にもロシアは断固として対応するとし、米国はリスクを考えてから行動を起こすべきだと指摘。「ロシアが開発している兵器の射程距離と速度を計算する必要がある」とし、新たな軍拡競争の可能性についてこれまでになく強い口調で警告した。
プーチン氏は、米国が欧州に新たなミサイルを配備すれば、米国のミサイルがロシアの首都モスクワに到達する時間は10─12分に短縮されるとし、こうしたことは深刻な脅威となると指摘。ロシアがこうした事態にどう対応するかは具体的に示さなかったが、米国の国土に近いロシア同盟国へのミサイル配備や、高速ミサイルを搭載した潜水艦配備などが選択肢となる可能性がある。
プーチン大統領は、ロシアは米国と良好な関係を築きたいと表明。ただ「脅威が現実のものとなれば直ちに対応する」と述べ、必要に応じて防衛措置を取る用意があることを示した。
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